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株価2110円 PER6.17倍(四季報19年9月※予想EPS341.85円) PBR1.37倍 配当予想:0.71% 時価総額240億

日経平均株価が大暴落となった11日(木)の、2日前の9日(火)に2018年9月期本決算の大幅上方修正を発表したため、10日に株価は寄り天となる2379円をつけた後は、11日の大暴落に巻き込まれて真っ逆さまの下落となり、上方修正前の株価付近まで戻ってしまった。。。

肝心のその数字はというと――――、従来見通しであった売上22,000(百万円)を →22,700(百万円)、営業利益を3,000(百万円)から →4,400(百万円)、EPSを209円 →313円とし、1.5倍もの大幅増益率であった!

その理由を同社は「中国向け第10.5 世代および第 11 世代用フォトマスクの売上が増加したこと」、と発表している。しかしこの会社発表は、はっきり…不十分だと言わざるをえない。売上の上方修正分はたったの7億円であり、伸びたのは利益だったからである。ちなみに4Qだけを切り取ると、売上6,904(百万円)、営業利益は2,009(百万円)であった。営業利益率は驚異の29%にもなっている。

勝手に推察するに、4Qに関しては「中国の大型液晶パネルの設備投資意欲が、想定以上に強く、この利益率がよかった」ということだろう。…そうなると現在、米国との貿易戦争がヒートアップしつつある同国のことである。これは先行きが非常に心配となるところだが、

その翌日、会社四季報オンラインは同社の2019年9月期決算予想数字を、売上26,000(百万円)、営業利益を4,900(百万円)、EPSを342円と出してきた。

このなかで特筆すべきポイントは、売上の伸長率である。これが達成できるとすれば、営業利益率を仮に3Qと4Qの平均である25%と設定した場合、営業利益6500(百万円)、経常利益6700(百万円)、純利益4791(百万円)、EPSは447円あたりが想定できてしまう。そうなればPERは、現在株価で驚異の4.72倍だ。これだけ売上含め業績が堅調である同社に、この株価評価はないだろう。

同社は、もともと2017年9月期に大型設備投資をしている関係で、今期、来期は収穫期にあたる予定であった。加えて、中国の設備投資計画の時期と重なる、2019年度の売上予想は高くなるのが計画通りということだろう。よってこのまま中国勢のパネル投資が高水準を維持するならば、前述したEPSが実現する公算は大きい。

同社の取引先には、中国最大手のパネルメーカーであるBOEテクノロジーグループ(京東方科技集団)、そして2番手CSOT(チャイナスター)がたびたび登場する。この背景には、経済成長の「量から質への転換」をめざす中国政府の方針がはっきりみえており、政府の後押しを受けた国策事業「中国製造2025」の存在がある。

現在、中国の主要5社により、2018年以降の3年間で計5兆円規模の工場新設計画が動いているという。パネル市場は中国勢がすべてをのみ込む勢いだ。
危惧する点を挙げるならば、現在は大型パネルの供給過剰状態であることは確実で、販売単価が下落する中での、「中国製造2025計画」を実行するためだけの強引な設備投資であること。それと、中国と米国の貿易戦争に、まるで終結の目途が立っていない事だろうか。ただ、中国の習近平主席が推進する「中国製造2025」が止む兆しがない以上、同社の業績も右肩上がりの推移となりそうだ。