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SEMITEC(株)【6626】の掲示板 2020/12/01〜2020/12/22

ハードとソフトの本格的な分業は、今後の技術開発の主戦場である自動運転に欠かせない。自動車メーカーが過去に培ってきたハード開発の経験は、全く通用しなくなる。一方で、ソフトやセンサー、認識技術に強い企業には新規参入の好機だ。先頭を走る米グーグル系企業を追いかける米インテル傘下のイスラエル・モービルアイやソニーは、積極的に分業して開発を加速する。

【前回記事】

ソニー自動運転の勝算 目指すはGoogleか

モービルアイ躍進

センサーを含む認識技術に強い企業が自動運転ソフトの開発で優位に立つことの証左が、モービルアイが存在感を急激に高めていることだ。レベル1~2の運転支援で躍進したモービルアイが、レベル4~5の完全自動運転で「(グーグルから独立した)米ウェイモを追いかける有力企業」(国内自動車メーカー幹部)とみられるまでになってきた。

モービルアイは、強みのある認識ソフトと半導体(システム・オン・チップ=SoC)「EyeQシリーズ」を組み合わせて提供することで、運転支援技術で多くの受注を獲得した。イメージセンサーについては自ら手掛けないが、長年米オン・セミコンダクター製を採用しており、事実上、センサーと認識ソフトを一体で開発してきた形だ。



モービルアイは高精度地図を内製。ウェイモと同じ戦略で、他社から調達する競合他社に比べて優位に立てる(出所:モービルアイ)

そんなモービルアイがウェイモを猛追できるのは、同ソフトの基盤となる高精度地図データ「REM(ロード・エクスペリエンス・マネジメント)」を自ら開発することが大きい。ウェイモと同じように高精度地図データを中核と位置付けて、競争領域と考える。これを分業するのではなく、統合する。高精度地図データを内製する企業は少ない。他社から調達する競合に比べて、開発速度を上げられる。

モービルアイがREMを手掛けられるのは、走行中の車両から集めた大量の道路情報などを認識して解析し、地図データの開発で最も重要な頻繁な更新を実現する基盤を既に有するからだ。同社のSoCを搭載した車載カメラが既に多くの車両に採用されていることが大きい。

センサーと認識ソフトの強みを生かして自動運転ソフトでウェイモを猛追するモービルアイは、ソニーの目指す方向をいち早く体現した企業といえそうだ。なおソニーとモービルアイで異なるのは、ソニーはSoCや高精度地図データまで内製する考えはなく、分業を重視すること。SoCの分業についてはウェイモの考えに近く、同社はインテル製コンピューターを採用しているとみられる。