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アマノ(株)【6436】の掲示板 2015/04/28〜2020/05/24

大企業ではすでに従業員の勤務時間管理が厳しくなっている。その分、無理な短納期発注や休日出社の強制など、下請け中小企業へのしわ寄せが強まっているとの指摘がある。公正取引委員会の幹部も「短納期発注などが目立つ」と話す。

企業への監視を強めるため、経産省と厚生労働省は合同で働き方改革の対策チームを立ち上げた。牧原秀樹経産副大臣は初会合で「働き方改革に前向きに取り組んでもらうため、制度の周知に努めたい」と強調した。同時に、公取委や経産省は大企業など約20万社に書面で中小企業へのしわ寄せを防ぐよう要請した。

経産省などは「下請けGメン」などを通じて企業側への聞き取り調査を進める。法律に違反する行為があれば、下請中小企業振興法に基づく行政指導や助言をする。経産省は中小企業との取引の適正化を定めた同法の活用も視野に入れ、同様の事例が起きないようにけん制を強める。

国際的にみて日本は長時間労働が目立つ。週49時間以上働く就業者の割合は18年時点で全体の19%を占め、10%前後の欧州主要国の2倍だ。

中小の労働環境はさらに厳しい。少ない従業員数で取引先の発注に応えるため、残業や休日出勤に依存せざるを得ない状況が続いている。最低賃金の引き上げやパート労働者への社会保険の適用拡大などもあり、経営側の負担感は増している。

中小企業は労働生産性の停滞が続いている。法人企業統計調査を使って中小企業庁がまとめた資料によると、製造業では大企業が09年度から17年度の間に約40%向上した半面、中小企業は11%の上昇にとどまった。非製造業でも同じ期間に大企業が23%、中小企業は8%と改善の幅に差がある。

企業側に改革の負担を押しつけるのは限界がある。IT(情報技術)の活用拡大や大企業を含めたサプライチェーン全体の見直しを官民挙げて進めるなど、産業全体の生産性を高める取り組みと働き方改革を同時に進めることが欠かせない。