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(株)キトー【6409】の掲示板 2019/08/15〜2022/03/31


「経済の構造矛盾は突出し、下押し圧力が高まっている」。国家統計局の付凌暉報道官は16日の記者会見で経済の悪化を率直に認めた。
とくに工業生産の落ちこみが目立つ。7月から改善するとの予想が多かったが、実際は0.4ポイント下回った。伸び率は09年1~2月(3.8%増)以来の低さだ。生産量をみると自動車(前年同月比1%減)、スマートフォン(11%減)、ロボット(19%減)、工作機械(21%減)などが不振。発電量の伸びが2%増にとどまったのが生産全体の弱さを裏づける。
一つの原因は輸出の低迷だ。工業生産のうち輸出向け販売額は8月に前年同月比4%減り、16年10月以来2年10カ月ぶりの減少。トランプ米政権は5月に家具など2千億ドル(約21兆円)分の中国製品の追加関税を10%から25%に上げ、8月初めには制裁関税「第4弾」の発動方針を表明した。追加関税が輸出の足を引っぱる。
生産以外も振るわなかった。百貨店やスーパー、電子商取引(EC)などの売上高を合計した社会消費品小売総額は8月に前年同月比7.5%増えた。伸び率は7月から小幅鈍化した。統計の信頼性が高い中堅以上の小売店の伸びはわずか2%だった。自動車が同8%減ったほか、宝飾品も前年割れだった。
マンションや工場の建設など固定資産投資は1~8月に前年同期比5.5%増えた。伸び率は1~7月より0.2ポイント鈍った。政府はインフラ建設にあてる地方債の発行を急ぎ、インフラ投資は同4.2%増と1~7月から0.4ポイント加速した。
一方で製造業の投資は1~8月に2.6%増と伸びが同0.7ポイント縮小した。輸出低迷で設備投資をためらう企業が増えた。みずほ総合研究所の三浦祐介主任研究員は「生産だけでなく設備投資も減速しており、製造業の悪化に歯止めがかかっていない」と指摘する。
中国人民銀行(中央銀行)は16日、市中銀行から強制的に預かるお金の比率を示す「預金準備率」を今年1月以来8カ月ぶりに下げた。景気下支えを強める狙いだが、効果は見通せない。18年4月に始まった今回の金融緩和局面で、人民銀はすでに計5回、4ポイントも準備率を下げたが、中長期の設備資金の貸し出しはむしろ減っている。