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日本エマージェンシーアシスタンス(株)【6063】の掲示板 〜2015/04/08

中東諸国に売り込むのは12年からテルモが治験を実施している心筋の再生医療だ。患者の大腿部の筋肉にある細胞を体外で培養し、シート状にして重症心不全患者の心筋の表面に貼る仕組みだ。

 再生医療の輸出では、治療技術の知的財産権を現地の医療法人が使えるようにしたり、再生医療製品を販売したりするのが柱になる。細胞の培養機器なども一体で売り込む。富裕層も多く、再生医療への需要は高まる見通しだ。輸出は産学官で4月に立ち上げたメディカルエクセレンスジャパン(MEJ)が担う。

 政府は再生医療の実用化のスピードを高め世界展開につなげる。今秋の臨時国会で再生医療製品の審査期間を短縮する薬事法改正案の成立を目指す。日本で薬事承認を得れば、現地当局での審査を簡素化できるように交渉する。

 目の網膜の病気で失明の恐れもある「加齢黄斑変性」という難病の患者を対象にしたiPS細胞を使った治療技術の輸出も視野に入れ始めた。来年度に初の臨床研究が国内で始まる。結果を踏まえて、輸出の検討に入る。中国やタイが候補に挙がっている。

 iPS細胞を使った再生医療では、厚生労働省と米食品医薬品局(FDA)が審査基準の共通化に乗り出した。日本の医療メーカーがiPS細胞を使った再生医療製品を作る際に、海外展開しやすくなる。

 日本の医療分野は欧米に押され、貿易赤字は2兆円弱に及ぶ。安倍晋三首相は「外に打って出なければ赤字が拡大する」と医療輸出に力を入れる考えだ。経済産業省によると、再生医療の世界市場は12年の3400億円から50年には53兆円になる。急速に実用化が進む再生医療分野は医療の輸出を増やすカギだ。世界各国も需要を取り込もうと準備を進めている