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ENEOSホールディングス(株)【5020】の掲示板 2019/06/08〜2019/07/18

ガソリンスタンドの利ざや、再編で1・8倍に

2019/7/8 22:00日本経済新聞 電子版

ガソリンスタンドの価格競争が一服している。日本経済新聞が販売価格から仕入れ価格を引いた利ざやを推計したところ、5月に1リットルあたり15円となり、3年間で1.8倍となった。元売りの再編が進み、スタンドや生産能力が減ったためだ。ガソリンの需要は今後も減る見込み。給油所はつかの間の経営安定期にどう手を打つかが課題となる。

ガソリン販売シェアで5割を握るJXTGホールディングス(HD)が17年4月に発足した際、余ったガソリンを安く卸すビジネス慣行を改めた。安売り競争の引き金を引くことがなくなり、価格が安定してきた。

それは元売りの業績にも表れている。利益の半分をガソリンなど石油精製販売で稼ぐJXTGは、18年度の売上高営業利益率が4.8%だった。統合前の2社を単純合算して算出した16年度は3.7%で、1.1ポイント改善した。

旧JXHDの前身の新日本石油と新日鉱ホールディングスの時代を含め、ここ10年で最も高い水準だ。

利ざやが改善しているもうひとつの理由は元売りがガソリンを売るスタンドの減少だ。

ピークだった1994年度は6万421カ所あったが、17年度の3万747カ所へと半減した。1990年代に安いガソリンの輸入が解禁されたり、セルフ式給油所の運営が可能になったりして価格競争に陥り、利益を稼げなくなっていた。だが、この状況も様変わりだ。

世界経済の減速懸念にともなって、原油相場が急落した18年11~12月。給油所が元売りから仕入れる価格は2カ月で18円程度下がり、約114円になったが、店頭価格はそれほど下がらなかったため、利ざやは増加。瞬間的に21円を超えた。

ただ、今後の経営環境は厳しい。JXTGは40年までに、石油需要が現在よりも半減すると予想している。電気自動車の普及に加え、そもそもクルマ離れが進む。近年の給油所事業者は全体の3割が赤字経営とされているが、需要が一段と減れば赤字の事業者もさらに増える。

JXTGは19年7月1日までに、約1万3千店ある給油所のブランドを「ENEOS」に統一した。コンビニエンスストア大手3社に次ぐほどの店舗数がある。顧客データを生活の動線などとしてとらえて活用し、ビジネスの付加価値を高められるかが課題だ。