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楽天グループ(株)【4755】の掲示板 2019/05/16〜2019/05/18

日経新聞より~♪クアルコムが仕掛ける5G勝者総取り
5Gスマホ進化論(下)

2019年10月に携帯電話サービスを新たに展開する楽天携帯子会社の楽天モバイル。次世代通信規格「5G」向け基地局などのインフラに、ソフトウエア処理やスマートフォン(スマホ)技術を活用しコストを大幅に削減する。同社にスマホ向け技術に基づくハードウエアを提供するのは、半導体大手の米クアルコムだ。同社は知的財産を巡り激しく争っていた米アップルと和解し、5G半導体市場でさらに強さを増す。


【前回記事】「見えないスマホ」あらゆる業界に 5Gが秩序を破壊


■クアルコム、自動車やパソコンにも入り込む

クアルコムは、5Gで応用範囲が現行の4Gまでと比べて、ぐっと広がるとみる。通信機器のほか、コンピューター、拡張現実(AR)/仮想現実(VR)ヘッドセット、自動車、あらゆるモノがネットにつながるIoT機器などだ。

実際、同社は、5G対応のスマホ向け半導体にとどまらず、パソコンや自動車向けにも5G対応の半導体を開発している。同社の狙いは、スマホ向けで大量生産する半導体や設計資産を他の多様な応用機器に横展開することにある。

パソコン向けは、英アームのプロセッサーコア「ARM」や、5Gスマホ向けモデムなど主要回路による開発基盤だ。自動車向けは、スマホ向けと同じ5G主要回路と、自動車向けにカスタマイズしたプロセッサーによる開発基盤である。

  • >>3

    ONLY ON Android(5Gはアンドロイドだけ)」。19年2月にスペイン・バルセロナで開催された世界最大の携帯見本市「MWC2019バルセロナ」の会場や記者発表会で、クアルコムが積極的にアピールしていた言葉である。5G対応スマホを開発できているのは、同社がチップを提供しているアンドロイド機のみ、という意味だ。

    同社のチップの採用をやめてインテルに絞ったために、5G対応のスマホ(iPhone)の出荷でアンドロイド陣営に先を越されたアップルへの当てつけでもある。パソコン用プロセッサー市場では勝ち続ける技術力をもつインテルだが、量産時期では劣勢にある。

    クアルコムとアップルの両社はライセンス料や特許侵害を巡って訴訟合戦を繰り広げ、アップルは18年9月に発表したiPhone新機種でクアルコムのチップの搭載をやめ、インテルのチップのみを搭載し始めた。

    ところが事態は急変した。両社19年4月、全ての訴訟を取り下げることで合意したと発表したのだ。アップルがクアルコムのチップを再び採用することになりそうだ。クアルコムの強さはさらに増す。


    ■米中対立でカギ握るサムスン

    とはいえ、5G関連企業をめぐる複雑な対立関係は刻々と変化しており、クアルコムがスマホ市場で大口顧客を失う可能性もある。そうなると、スマホ市場における5Gチップの量産効果を得にくくなる。

    実際ファーウェイは、元々はアンドロイド機にクアルコムのチップを搭載する同社の大口顧客だった。しかし、ファーウェイはスマホ向けチップの内製化を進めて、クアルコムのチップの搭載をやめた。米中貿易摩擦を経て両社は明確に競合する関係になっている。しかも内製チップを搭載したスマホを市場に出すのは、クアルコムチップ搭載機と同じ19年半ばの予定だ。

    スマホ最大手のサムスンは、クアルコムの大口顧客である一方、自ら5Gチップの開発を進めている。モデムに加えて無線周波(RF)チップも開発済みだ。同社までもクアルコムが失うと、5Gスマホ向けチップ市場でファーウェイが優位に立つ可能性がある。