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大塚ホールディングス(株)【4578】の掲示板 2015/04/29〜2015/08/07

大塚ホールディングス<4578.T>は大黒柱の抗精神病薬「エビリファイ」の後継薬と位置付けている新規抗精神病薬「REXULTI(レキサルティ)、一般名ブレクスピプラゾール」が現地10日、FDA(米食品医薬品局)から大うつ病(MDD)補助治療、および統合失調症治療薬として待望の承認を取得。株価は13日に年初来高値に進み、注目の怠れない展開となっている。

 「エビリファイ」は最初に米国で統合失調症の治療薬として承認された抗精神病薬で、一般名はアリピプラゾール。作用機序はドーパミンやセロトニン受容体を程よく活性化させること。例えば統合失調症では脳内のドーパミン量が多くなり、幻聴や妄想などの原因となるが、量が減り過ぎると逆にパーキンソン病のような症状を招くことがある。そのためパーシャルアゴニスト(部分作動薬)として受容体を適度な活性状態に置き、症状の緩和を図る。一方、セロトニンは、神経を抑制するタイプの受容体にはパーシャルアゴニストとして作用し、神経を興奮させるタイプにはアンタゴニスト(阻害薬)として働く。

 この優れた作用機序から「エビリファイ」の米国における適応は10を超え、2014年3月期の米国における売上は4555億円(前の期比35.5%増)に拡大。前14年12月期(決算期変更で9カ月)も4165億円(同期間比14.0%増)と好調な推移が続いた。

 ただ、ここで迎えたのが今年4月の米国における特許切れ。後発薬による侵食を想定し、今期の予想売上は1800億円にとどめている。しかし、これを前提に開発を進めていた後継薬の「レキサルティ」がついに承認を取得。同薬も作用機序は「エビリファイ」と同じだが、「エビリファイ」の代謝物や異性体ではなく、SDAM(セロトニン・ドーパミン・アクティビティ・モジュレータ)と呼ばれる新しい薬理作用を持つ化合物で、有効性と忍容性がさらに進化。

 適応はまだ統合失調症単剤療法と大うつ病補助療法の二つだが、米国では成人の大うつ病患者が1500万人、統合失調症患者が240万人と、これだけでも市場規模は大きく、さらに適応拡大に向けた臨床試験にも取り組んでいる。発売予定の今年8月上旬以降の立ち上がりから目が離せない。

[ 株式新聞速報ニュース ]