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さくらインターネット(株)【3778】の掲示板 2024/03/09

AIを関西の起爆剤に さくらインターネット・田中社長
うめきた新オフィス、自由な提携の場へ
日本経済新聞 地域経済 関西経済 (39ページ)
2024/3/9 1:49
 さくらインターネットの田中邦裕社長は、ベンチャーキャピタル(VC)が都内で開催したイベントの会場で日本経済新聞社の取材に応じ「関西は人工知能(AI)が起爆剤になる」と話した。関西スタートアップを論じるセッションに登壇した大阪出身の田中社長に、起業拠点としての課題や可能性を聞いた。

 ――大阪はIT(情報技術)起業家の集積地になり得るのでしょうか。

 「今の延長線上では(可能性は)ない。大阪・関西は今後、AIセクターをさまざまな産業に取り込むべきだ。『デジタル』や『IT』は過去30年間の産業だった。(力を入れても)いまさらガソリン車を作るようなもので既に遅い」

 「次のセクターはAIだ。『AI×医療』や『AI×製造業』の可能性は大きい。AIの研究施設を関西につくり、そこに世界中から研究者を呼び込むことができれば面白い。例えば(大阪府北部にある国際文化公園都市)『彩都』にGPU(画像処理半導体)の巨大クラスターをつくって、国の補助金も得ながら利用権を無料にしてもいい」

 「引力がある場所は、人やお金などすべてを引き寄せる。国際博覧会(大阪・関西万博)も控えているため、大阪・関西は、AIであればAIと決めた方がいい。AIは次の起爆剤になるが、AI自体がインターネットと同等の重要なムーブメントだと気づいている人が少ないことが問題だ」

 ――さくらインターネットは大阪駅北に開業するグラングリーン大阪(うめきた2期)のオフィスに入居する予定です。

 「(物理的に)壁がなく、完全にオープンな場所になる。誰でも仕事や商談ができるようにする。VCがスタートアップを、そして事業会社が提携する会社を見つけるなど、とにかく何かが起こる場所にしたい。グラングリーン大阪のコンセプト『ごちゃまぜ』にも合致する」

 ――1999年の設立以来、大阪に本社を置いています。東京への本社移転は考えていましたか。

 「2008年ごろに検討していた。悪化していた業績が回復してきて、オフィスを東京に集約してコストダウンしようとしていた。事業を成長につなげられなかった時期だ。落ちぶれていく会社はコストダウンのために地元を離れるという『リトマス試験紙』になりかねなかった」

 ――大阪のIT起業家は東京のスタートアップのコミュニティーに所属すべきでしょうか。

 「そもそもコミュニティーに所属しているだけではいけない。スタートアップは売上高10億円で、1億~2億円の利益を出しただけでもコミュニティーでちやほやされる。上場しただけで英雄になる」

 「例えば私はアメリカに行くと(業績が)2桁も3桁も大きなスケールを見せつけられ、自分はまだ全然駄目だと思わされる。同じ業界だけではなく政治など、様々なコミュニティーに属することで違う視点を持つこともできる。スタートアップのコミュニティー以外を大事にすべきだ」

 (聞き手は仲井成志)