ここから本文です
Yahoo!ファイナンス
投稿一覧に戻る

(株)エムアップホールディングス【3661】の掲示板 2019/05/16〜2019/06/12

  下値目処が1750円とかいうのも、現金が53億円ということに起因するのかも知れないが、それについても懐疑的になってきたので、その理由を述べる。

 元々、エムアップの現預金は約14億円だった訳だ。買収によって約53億円になったことで、市場ではおおすごいとなった訳だ。
 
 でもこの39億円の増加の中身をよく見てみると、ちょっとこれって?と思うはずだ。

 通常、買収によって現預金が増える場合、相手側の利益剰余金が足されれば一番中身のある増え方だ。
 銀行からの借り入れが膨大にあってその分現金が増えても仕方ない。借金を返せば現預金は減るからだ。
 相手も銀行からの借り入れがなかったのでその点はいい。

 で、BSを見てみると、利益剰余金で株主資本が増加して訳ではない。資本剰余金で46億円増加し、利益剰余金は2018年3月末は16億円もの剰余金があったのに、2019年3月末では▼8億円むしろ▼24億円のマイナスの利益剰余金を抱えたのだ。マイナスの利益剰余金があることは税務上は悪くない。
 ただこのことを考えると、EMTGって過去すごい赤字の会社で、親だったエキサイトが50億円ぐらいぶっこんで支援してたけど、社長の富田氏に売ったと。(一人では買えないので和歌山の会社に資金を出してもらって)ということは営業利益で3億円前後になったのは最近の話なのだと。
 まあ、EMTGの過去のBS、PLについては全く開示せずしらばっくれているので、開示された現状のBSから分析するにそういう結論になる。まあ、EMTGは過去は赤字会社だったということだ。

 一方、現預金が14億円から53億円へと39億円増加した訳だが、そのほとんどが買掛金と未払金の増加だ。買掛金が多いのはそれ自体悪じゃない。サイトの長い商売なら是非私もやりたい。羨ましい話だ。ただ現在のサイト期間が今後も継続するのかどうかそれが重要だ。
 もともとエムアップの買掛金は売上36億円に対して買掛金は4億円程度だった。
サイトは約1.3ヶ月なので、結構相手先に素早く支払っていたことが分かる。
 ところが今回開示されたBSを見てみると売上69億円に対して買掛金21億円とサイトは2.9ヶ月と増加する。つまりEMTGのサイトは3ヶ月以上であることが分かる。しかしエムアップとEMTGはほとんど同じ業種だった筈だ。こんなにサイトに違いが出るのはおかしい。
 そもそもソフトコンテンツを扱っている会社で、3ヶ月以上というのも長過ぎる。今までは取引先も支援も兼ねてサイトを長くしてきたのか、それとも未上場だったので済まされてきたかもしれないが、今後はエムアップと同様に短くなる方向に行く筈である。
 実際、前期の買掛金のキャッシュフローを見てみると1億5千万円ほど減少している。売上が伸びれば買掛金のキャッシュフローは増加してもいい筈だが、減少している。つまりEMTG側のサイトがエムアップ側に近づいて短くなってきているのだ。
 これの意味するところは、現在ある53億円もサイトの健全化によって10億円ぐらい減少する可能性を示唆する。いやEMTGの力は業界で最強なのでサイトを3ヶ月以上維持できるというのであれば、私の杞憂だ。

 もうひとつ気がかりなのが、未払金の存在だ。もともとエムアップは未払金はほとんどなかった。2018年3月末で87百万円だった。ところが2019年3月末で25億円に膨らんだ。約24億円の未払金の中身は何か?今のところ全く開示されてない。仮に従業員給与だとすればこれに手をつけることはできない。ゴーンみたいに将来24億円渡すという誓約書があるのかも知れない?

 つまり現預金53億円のうち35億円以上の金は動かせない金なのだと推測する。
 配当に関してもホールディングスの親の剰余金にもよるが、連結の利益剰余金が▼8億円であることも考慮すると、増配なんてやれる状況ではないこともわかる。
 (資金移動させてヤケクソでやれないこともないが。)

 結論として、増大した現預金に関しては会社側のしっかりした情報開示と1年ぐらい経過を見なければならず、期末の数字を鵜呑みにしては危険だということだ。

 したがって中期的なキャッシュフローの流れによっては1500円のサポートもどうかなと。