ここから本文です
Yahoo!ファイナンス
投稿一覧に戻る

(株)ジー・スリーホールディングス【3647】の掲示板 2017/09/14〜2017/09/22

徳島文理大理工学部・梶山博司教授

 鉛電池、ニカド(ニッカド)電池、ニッケル水素電池、リチウムイオン電池と進化した蓄電池だが、徳島文理大(香川県さぬき市)理工学部の梶山博司教授(61)=プラズマ物理学=は、酸化亜鉛の半導体に炭素を混ぜて分子構造をひずませ、蓄電特性を持たせた電池を開発している。

 スマートフォンなどで使われるリチウムイオン電池だが、リチウムは地球上で偏在するレアメタルで、高温下では破裂・発火、低温下では電圧低下、破損すると激しく燃えるという弱点もある。これに対し、開発中の電池は原材料の亜鉛や炭素などをどこでも安定確保できるほか、セ氏300度程度まで電池機能を失わず、破損しても危険でないという。さらに電池の原型は厚さ約1ミリの薄さだ。これは、厚さ40分の1ミリ程度の耐熱鋼に、プラズマ状態を作る装置の中で厚さ2分の1ミリ程度の電池層を成長させるためという。別の実験で酸化亜鉛製の半導体に黒い染みを見つけたことが開発のきっかけとなり、学生の実験結果を分析し、電気をたくわえるひずみが分子内に生じたことを突き止めた。

 軽量化も期待でき、LED(発光ダイオード)付きの電池を靴に貼れば夜間も安全にジョギングができ、GPS(全地球測位システム)付きを用いることもできる。太陽光パネルの裏に電池を貼ると、蓄電池を置く場所が不要となる。2020年を目標に鋼や電池、フィルムなどのメーカーと原型を完成させる計画だ。「重さや大きさ、形からリチウムイオン電池では考えられなかった用途が生まれる可能性もある。『炭素電池』と呼べば良いかな」と梶山教授は期待する。