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アゼアス(株)【3161】の掲示板 〜2015/04/28

広東省では今も3000人以上が、エボラ出血熱に感染している疑いが持たれている。これらの人々は全員、エボラが猛威を振るっているアフリカ諸国から戻ったばかりで、その後、隔離された。今のところ中国、そしてアジア地域全体でも、エボラ出血熱の感染は確認されていない。しかし中国政府は、エボラの流行が深刻な脅威を与えていることを認めている。これを受け、アフリカに実験ワクチンJK-05を数千回分送ることが決まった。JK-05は、中国軍向けに中国の軍事医学アカデミーで開発されたもので、エボラ出血熱の治療薬としての臨床試験は完了していない。高等経済学院の教授で、エビデンスに基づく医療(EBM)専門家協会の会長を務めるワシリー・ヴラソフ氏は、現在の状況を受け、中国の医療関係者たちは、必要な場合に、アフリカにいる中国人に実験薬を投与する許可を得たと述べ、次のように語っている。
「アフリカには中国人が大勢いる。そのため、彼らが第一の保護対象となる。しかし、この実験薬は、実際に保護の役目を果たすのだろうか?この薬は本当に効果があるのだろうか?それを確かめることができるのは、臨床試験だけだ。しかし残念なことに、現在、エボラのような致死率の高い病気の治療法に関する質の高い臨床試験を行うことが大きな問題となっている。少なくとも、いま米国が計画しているワクチンの臨床実験をアフリカで実施するのは、非常に難しいだろう。」
現在、世界中の大手製薬会社が、エボラ出血熱の治療薬やワクチンの開発に取り組んでいる。ロシアは、3種類のワクチンを準備した。1つ目は、不活化ワクチン、2つ目と3つ目は、遺伝子組換えワクチンだ。今後ボランティアによる臨床試験が行われる。なお、世界保健機関(WHO)は、日本の富士フイルムのグループ会社が開発した薬「アビガン(ファビピラビル)」の使用を推奨した。「アビガン」のエボラ出血熱に対する臨床試験は行われていないが、アフリカでエボラに感染したフランス人看護師の治療で効果があったため、今後も使用されることが決まった。少なくとも、悪影響を及ぼすことはない。
リベリアでエボラに感染し、米国の病院で治療を受けていた米国人が今週、退院した。この患者には、米国のChimerix社が開発した薬が投与された。この成果は、米国の医療関係者を喜ばせた。しかしヴラソフ氏は、Chimerix社の薬の効果は実際のところ分かっていないと指摘し、次のように語っている。
「製薬会社は、病気が流行すると大きな利益を得る。これは、病気が流行すると葬儀屋が儲かるのと同じ法則だ。製薬会社は、エボラ対策に加わった。あらかじめ製造する時間にある程度恵まれた製薬会社もあったが、実験的に検証するチャンスはなかった。そのため、今あるのはワクチン候補と治療薬候補だけだ。米国で使用が許可されたものは、有効性が確認されていない。病気が致命的な場合には、科学的根拠を持たない決定が下されることもある。」