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決算説明資料の営業利益増減要因分析を見ると、人件費や設備投資等でコスト増が発生しており、レンタル資産取得を主因に投資CFが大きくマイナスとなっています。成長投資はむしろキャッシュフロー側に出ていますし、「2Q以降は先行投資で利益率が押され得る」という見立て自体は妥当であり、会社の質疑応答のとおりだったと思います。ただし、その先行投資によるコスト増を遥かに上回るほどのトップラインの爆発があり、先行投資の負担を跳ね飛ばしてしまい「投資しながら利益成長」という最も強い形になったというのが今回の結果でした。

4Q偏重についてもWindows10 ESUはあっても季節性は引き続きあると思います。上方修正したうえで既に進捗率は63.4%に達しているため、素直に見ればリスク(先行投資コスト、金利上昇、Windows10更新需要の剥落など)を非常に強く見積もっているガイダンスであると感じます。決算内容は「全部門が強い」うえに、利益率まで上がっており、一過性では到底片付けにくい状況です。事業構造もフローをストックに変換できている兆候がKPI(PC貸出台数+21.5%、長期サブスク売上+29.9%、ITサービス売上+27.9%)で確認でき、利益の質の変化が表れています。季節性についても結果として、季節性が強い会社で「H1が強く」、「Q2も過去最高水準で伸びた」という想定外の状況であり、シグナルとして大きいと言えます。

加えてコメントしたとおり、直近のPC及びパーツの価格高騰は急激で本四半期以後の事情であり、あまり反映はされていないと思います。外部環境予測は不確実性が高く難しいものがありますが、PCの価格上昇は、メモリやストレージ以外のパーツにも既に波及が見えてきており、価格高騰が継続的に続いていく可能性が高いと思います。

割り引かないとしたら、あまりに本決算が強すぎるため、PC価格が暴落するといった外部環境が急激に悪化した場合に残期分に落差が出てしまいかねないこと、正しい成長投資といっても投資CF主導のFCFマイナスがあり、金利上昇があまりに急激に進むと支払利息の負担が出てしまうことぐらいでしょうか。 今回の決算の本質は、表に見えている数字の大きな飛躍、水面下の質の大きな変化が明らかになった決算かと思います。

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