投稿一覧に戻る (株)アスカネット【2438】の掲示板 2020/06/30〜2020/07/11 449 oxg***** 2020年7月8日 02:15 先週公開されたアスカネットと日本ゼオンの特許出願の内容について確認してみました。 【公開番号】 特開2020-101614 【公開日】 2020年7月2日 【発明の名称】 立体像結像装置 【出願人】 【氏名又は名称】株式会社アスカネット 【氏名又は名称】日本ゼオン株式会社 基本的には従来通りの、のこぎり状の溝を持つ2枚のプレート(基材)を90度交差させて、基材より低い温度で熱で溶ける樹脂シート(熱可塑性樹脂シート)を挟んで重ねて、熱を加えると樹脂シートが解けて基材の溝を埋めて接着される仕組みです。 上側の基材(下側の基材とは溝の方向が90度交差) ─────────────────────── □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ 樹脂シート □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□(融点の低い樹脂) □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□(69℃~147℃) /│ /│ /│ /│ /│ / │ / │ / │ / │ / │←全ての垂直面に鏡面処理 / │/ │/ │/ │/ │ 下側の基材(融点の高い樹脂 147℃) ──────────────────── 今回の特許出願では、高品質な樹脂製プレートを製造するための、より具体的な方法について説明されています。 現行のプレート(のこぎり状の三角溝)の特許としては、2017年の特許のころから日本ゼオンの製品を使うとありましたが、そのころから協力していたのか、素材として使用していただけなのかは不明です。 【特許番号】特許第6203978号(P6203978) 【発行日】平成29年9月27日(2017.9.27) 【発明の名称】立体像結像装置の製造方法 【特許番号】特許第6203989号(P6203989) 【発行日】平成29年9月27日(2017.9.27) 【発明の名称】立体像結像装置の製造方法 >この第1の透明樹脂として、比較的融点の高い熱可塑性樹脂(例えば、ゼオネックス >(ZEONEX:登録商標、ガラス転移温度:120~160℃、屈折率:1.535、 >シクロオレフィンポリマー))を使用するのが好ましい。 >また、第2の透明樹脂は、例えば、ゼオノア(ZEONOR:登録商標、ガラス転移温度: >100~102℃のもの、屈折率:1.53、シクロオレフィンポリマー)を使用するのが好ましい 今回はアスカネットと日本ゼオンの共同出願となっていますが、発注元と下請けの関係ではない深いパートナーシップを感じます。 素人考えですが、樹脂シートを溶かすのに必要な温度が高すぎると基材に悪影響が出そうですし、溝を埋めるには高い温度の方が綺麗に行き渡るような気がします。 こういうのは理論だけでなく実際にやってみないとわからないということなのか、今回の特許は「樹脂の素材を色々と変えて試してみて、上手くいった方法」について説明されています。 ラーメンに例えると、2017年の特許は「丼に麺とスープを入れてメンマとチャーシューを乗せて、ラーメンという食べ物を発明した」特許だとすると、今回の特許は「具の種類や麺を細麺、太麺、縮れ麺と変えながら、何種類かのスープとの組み合わせを試してみて、一番旨かった組み合わせを見つけた」特許といった感じでしょうか。 9種の実施例と5種の比較例がありますが、実施例1では輝度、鮮明度共に最高評価のAとなっていますが、最適解が見つかったということかもしれません。 中身を読んでいて、前回とは違いやたら細かく具体的で、なんとなくですが樹脂製プレートは日本ゼオンにとっても「自社製品」なんだという、意地やプライドのようなものが感じられた気がします。 そう思う46 そう思わない1 開く お気に入りユーザーに登録する 無視ユーザーに登録する 違反報告する 証券取引等監視委員会に情報提供する ツイート 投稿一覧に戻る
oxg***** 2020年7月8日 02:15
先週公開されたアスカネットと日本ゼオンの特許出願の内容について確認してみました。
【公開番号】 特開2020-101614
【公開日】 2020年7月2日
【発明の名称】 立体像結像装置
【出願人】
【氏名又は名称】株式会社アスカネット
【氏名又は名称】日本ゼオン株式会社
基本的には従来通りの、のこぎり状の溝を持つ2枚のプレート(基材)を90度交差させて、基材より低い温度で熱で溶ける樹脂シート(熱可塑性樹脂シート)を挟んで重ねて、熱を加えると樹脂シートが解けて基材の溝を埋めて接着される仕組みです。
上側の基材(下側の基材とは溝の方向が90度交差)
───────────────────────
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ 樹脂シート
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□(融点の低い樹脂)
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□(69℃~147℃)
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/ │ / │ / │ / │ / │←全ての垂直面に鏡面処理
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下側の基材(融点の高い樹脂 147℃)
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今回の特許出願では、高品質な樹脂製プレートを製造するための、より具体的な方法について説明されています。
現行のプレート(のこぎり状の三角溝)の特許としては、2017年の特許のころから日本ゼオンの製品を使うとありましたが、そのころから協力していたのか、素材として使用していただけなのかは不明です。
【特許番号】特許第6203978号(P6203978)
【発行日】平成29年9月27日(2017.9.27)
【発明の名称】立体像結像装置の製造方法
【特許番号】特許第6203989号(P6203989)
【発行日】平成29年9月27日(2017.9.27)
【発明の名称】立体像結像装置の製造方法
>この第1の透明樹脂として、比較的融点の高い熱可塑性樹脂(例えば、ゼオネックス
>(ZEONEX:登録商標、ガラス転移温度:120~160℃、屈折率:1.535、
>シクロオレフィンポリマー))を使用するのが好ましい。
>また、第2の透明樹脂は、例えば、ゼオノア(ZEONOR:登録商標、ガラス転移温度:
>100~102℃のもの、屈折率:1.53、シクロオレフィンポリマー)を使用するのが好ましい
今回はアスカネットと日本ゼオンの共同出願となっていますが、発注元と下請けの関係ではない深いパートナーシップを感じます。
素人考えですが、樹脂シートを溶かすのに必要な温度が高すぎると基材に悪影響が出そうですし、溝を埋めるには高い温度の方が綺麗に行き渡るような気がします。
こういうのは理論だけでなく実際にやってみないとわからないということなのか、今回の特許は「樹脂の素材を色々と変えて試してみて、上手くいった方法」について説明されています。
ラーメンに例えると、2017年の特許は「丼に麺とスープを入れてメンマとチャーシューを乗せて、ラーメンという食べ物を発明した」特許だとすると、今回の特許は「具の種類や麺を細麺、太麺、縮れ麺と変えながら、何種類かのスープとの組み合わせを試してみて、一番旨かった組み合わせを見つけた」特許といった感じでしょうか。
9種の実施例と5種の比較例がありますが、実施例1では輝度、鮮明度共に最高評価のAとなっていますが、最適解が見つかったということかもしれません。
中身を読んでいて、前回とは違いやたら細かく具体的で、なんとなくですが樹脂製プレートは日本ゼオンにとっても「自社製品」なんだという、意地やプライドのようなものが感じられた気がします。