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(株)トランスジェニック【2342】の掲示板 〜2015/04/08

 名古屋大大学院の浅井真人特任講師(腫瘍病理学)らの研究グループが、マウスの実験から、肥満を防ぐ遺伝子「MRAP2」を新たに見つけたと、19日付の米科学誌サイエンスに発表する。

 この遺伝子の欠損したマウスの中には、正常なマウスと比べて体重が約2倍になる個体もいた。MRAP2はヒトにも存在し、浅井特任講師は「摂取カロリーが同じでも遺伝子の違いで体重が異なることがあると分かった。遺伝子面から肥満の解明がさらに進む可能性がある」としている。

 同大学院が、米ハーバード大や英ケンブリッジ大と共同で研究した。

 浅井特任講師によると、マウスやヒトの体内では、太ると脂肪細胞が「レプチン」という物質を放出。脳に届いて「αMSH」というホルモンが分泌され、神経細胞がこれを受け取ることで、食欲抑制や、代謝の向上など体重抑制が図られる。

 今回、研究グループは、MRAP2を欠損させた複数のマウスを使って実験。すると、正常なマウスと同じ量のエサを食べた場合でも、遺伝子欠損のマウスは太りやすく、生後5カ月の体重が、正常なマウスの2倍近くになるものもいた。

 実験用細胞で仕組みを検証すると、MRAP2がない場合、αMSHを受け取る神経細胞の感度が、通常の4分の1ほどまで鈍ると分かった。この結果、体重抑制が働きにくくなるとみられる。

 また、ヒトの肥満者の一部からも欠損したMRAP2を発見。ただ、肥満との因果関係は不詳で、今後、関連を特定する実験を進めるという。〔共同〕