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物価高、米政治の争点に FRBの政策運営難しく
2021年11月12日07時10分

【ワシントン時事】物価高が米政治の争点に浮上している。10月の米消費者物価指数(CPI)は前年同月比6.2%の上昇と、約31年ぶりの高水準を記録。中間選挙を1年後に控え、バイデン大統領はインフレ抑制に取り組む姿勢が鮮明だ。ただ、物価高の原因の一つとみられる供給制約の問題は利上げによる対処が有効でなく、連邦準備制度理事会(FRB)の政策運営は難しさが増している。
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 「インフレの傾向を反転させることが最優先課題だ」。バイデン大統領は10日、物価抑制に強い意欲を示した。物価高は庶民の懐を直撃するからだ。バイデン氏はエネルギー関連の便乗値上げを取り締まるよう、関係当局に求めた。
 これに対し野党共和党は、1兆7500億ドル(約200兆円)規模の大型歳出法案など、バイデン政権の看板政策が実現すれば景気を過熱させ、一段の物価高を招くと主張。共和党上院トップのマコネル院内総務は「インフレが米国の家庭に痛みを与えているのに、与党民主党が巨額の財政出動を検討するのは間違いだ」と批判した。
 6%超のインフレ率は、物価の手綱を握るFRB当局者にとっても衝撃的だった。サンフランシスコ連邦準備銀行のデイリー総裁は、テレビのインタビューで「目が飛び出るほどの高さだ」と声を上げた。
 足元のインフレ高進は、原油高を含め、新型コロナウイルス危機で冷え込んだ経済の再開に伴う需要の急増に供給が追い付いていない面が強い。パウエルFRB議長は「われわれの政策では供給制約を緩和できない」と述べ、市場の早期利上げ観測を打ち消す。
 拙速な利上げは、コロナ禍からの回復途上の経済に打撃を与えかねない。デイリー氏は「金融引き締めを始めれば、サプライチェーン(供給網)の改善に必要な投資を抑制してしまう」と述べ、現状では、政策金利の引き上げはリスクが大きいと訴えた。