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日経平均株価【998407】の掲示板 2016/04/29

>日経新聞証券部 湯浅兼輔
2016/4/29 2:00

日銀が追加緩和を見送り、28日の日本株相場は大荒れとなった。そんななか、新興株は意外なほどの底堅さをみせ、日経ジャスダック平均株価の前日比下落率はわずか0.29%にとどまった。その背後には「日銀」に振り回される主力株を敬遠し、新興株に活路を見いだそうとする個人投資家たちのしなやかな姿がある。

「日米欧の金融政策をそれほど気にせずに投資できるからね」。こう語る都内在住の50代の男性投資家は今春から主戦場を新興株市場に移した。以前は東証1部の主力株が中心だったが、金融政策次第で株価が大きく揺れ動くのに嫌気がさしたという。

 保有する銘柄のひとつがジャスダック上場の中堅不動産、シノケングループ。28日は2%安となったが、三菱地所などの大手不動産が5~7%下落したのに比べれば傷は浅い。

 28日のジャスダック市場で勢いが目立ったのが、マンション開発のアスコットだ。前日発表した2015年10月~16年3月期決算で連結純利益が1億1000万円と前年同期比の5倍になったのが好感され、制限値幅の上限(ストップ高水準)まで上げた。

 「新興株は金融政策のノイズ(雑音)が小さく、業績など個別材料がより株価に反映されやすい」と証券ジャパンの大谷正之氏は指摘する。海外ヘッジファンドなどが主導し、「緩和の思惑」だけで全面高や全面安を繰り返しがちな東証1部とは趣がかなり異なる。

 この日は人工知能(AI)でデータ解析する技術の特許取得を発表したUBICや今期に増益を見込む山田コンサルティンググループも逆行高を演じた。そーせいグループやサンバイオなどバイオ関連株には売りが出たものの、その売却代金が新たな買いに向かったようで、「循環物色がうまく効いている」(いちよし証券の大塚俊一氏)という。

 こんな流れがジャスダック市場の安定感を支えている。「緩和期待」がはげ落ちて日経平均が急落した結果、過去1カ月の運用成績でみると日経ジャスダック平均が逆転した。東証マザーズ指数も昨年末比だと3割高を保っている。

 主力株から新興株にシフトし、個別材料に着目した物色に回帰する一部の個人マネー。金融政策に対する市場の視線は確実に変化している。