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>>12352

100回読んでテメーの半生を
反省しとけこの安月給野郎!!

書の達人として知られていた幕臣・戸川安清は70歳を過ぎた老人で、家茂の習字の先生を務めていた。あるとき教えてい
る最中に、老齢のため失禁してしまう。戸川がなんとかしようとするも、水溜り広がっていくばかり。すると、突然家茂が
机の上の大きな水差しを手に取り、安清の白髪頭に水をかけ、手を打って笑ったので、その場で近臣らは「悪戯が過ぎる」
とたしなめた。後になって事情がわかると、安清は言うまでもなく、近臣もその機転とその思いやりに感涙を流したという。