ここから本文です
prismhit~~~明日から令和ですね。
投稿一覧に戻る

prismhit~~~明日から令和ですね。の掲示板

>>6893

樹脂メーカー各社は原料高以外にも、物流費やプラント修繕費などの事業維持のためのコスト転嫁も打ち出している。ポリエチレンでは6〜10円以上、ポリプロピレンでは8〜10円以上だ。国産ナフサ価格上昇による値上げ前の1〜3月にかけて発表が相次いだ。

一部需要家はすでに4〜5月出荷分から受け入れているというが、浸透には時間がかかっている。ある樹脂メーカーは「事業維持費の交渉を終えてから原料高の交渉に進むつもりだったが、前者が想像以上に時間がかかった。まずは原料高の転嫁を進めた」と明かす。

大口需要家を中心に「内訳が不透明で、そのままは受け入れられない」と抵抗しているものの、コスト上昇は業界全体で同様のため、理解は示している。幅や時期を交渉しつつ6月以降、妥結に向かうとみられる。

樹脂、フィルムメーカーともに「最終製品へと転嫁する必要がある」という共通認識もある。需要家であるフィルムメーカーも24年に入り、物流費や修繕費などを転嫁する値上げ交渉をコンバーター(印刷会社)と始め、「おおむね受け入れられそう」だという。

同じく汎用合成樹脂のポリスチレンも原料高を反映し4月に価格が上昇した。物流費などの転嫁も需要家と交渉中で、一段と上昇する可能性が高い。食品包装や雑貨などの値上がりにつながりそうだ。

一方、需要は落ち込みが続いている。石油化学工業協会によると、24年1〜3月に低密度ポリエチレンの国内向けと輸出を合わせた出荷量は前年同期比5%減、高密度ポリエチレンは同7%減、ポリプロピレンは9%減だった。長引く物価上昇で消費者の購買意欲が低下し、食品や雑貨などの購入が減っている。

ただ、インバウンド(訪日外国人)客の増加による衛生用品向けの包装材など、需要が堅調な分野もあるという。「ゴールデンウイーク前後から食品向けなども荷動きは回復してきた」(あるフィルムメーカーの担当者)という声もあり、本格回復につながるかがカギとなる。