ここから本文です
prismhit~~~明日から令和ですね。
投稿一覧に戻る

prismhit~~~明日から令和ですね。の掲示板

米有力ファンドがテック株買い戻し 1〜3月、AI期待続く

米国の有力ファンドが巨大テック株を買い戻していたことが明らかになった。15日までに開示した2024年3月末時点の株式などの保有状況では、出遅れていたアルファベットなど一度は売却した大手テック銘柄を買い増す動きが目立った。人工知能(AI)関連株がけん引する相場が続くとみたようだ。

ダニエル・ローブ氏が率いるヘッジファンド、サード・ポイントは前回(23年12月末時点)すべて売却していたアルファベット株を再び買い戻した。前回保有を1割削減したアマゾン・ドット・コム株も今回は2割増やしている。

著名投資家ジョージ・ソロス氏の一族が運営するソロス・ファンド・マネジメントも、前回1割減らしたアルファベット株の保有を今回は2割増やした。

AI開発の出遅れが指摘されていたアルファベットの買い戻しが多い。楽天証券経済研究所の香川睦チーフグローバルストラテジストは「生成AIの『Gemini(ジェミニ)』に開発資源を集中させており、株価の上昇ポテンシャルが高いと評価されたのではないか」とみる。

  • >>6850

    AI向け需要の拡大が期待される半導体メーカーへの買いも旺盛だった。

    レイ・ダリオ氏が創業した世界最大級のヘッジファンド、ブリッジウォーター・アソシエーツはエヌビディアの保有株式数を23年末時点から2.6倍に、半導体製造装置ラムリサーチを9.3倍にそれぞれ増やした。マイクロン・テクノロジー株やアドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)株なども買った。

    グロース(成長)株投資で知られるヘッジファンドのタイガー・グローバル・マネジメントは3月に上場した半導体関連株アステラ・ラブズへも新たに投資した。

    2月にはメタがAI向けITインフラへの設備投資の再拡大を表明したほか、エヌビディアが画像処理半導体(GPU)需要の急増で好決算を発表するなど、相場が「AIブーム」に沸いた。

    大和証券の弘中孝明チーフグローバルストラテジストは「『産業革命に次ぐ革命』ともいわれ、上昇相場に乗り遅れまいとするFOMO(Fear of Missing Out、取り残される恐怖感)を意識した買いが集まった」と話す。エヌビディアの株価は1〜3月の間に計82%、メタは37%上げた。

  • >>6850

    インベスコ・アセット・マネジメントの木下智夫グローバル・マーケット・ストラテジストは「米国の底堅い景気を背景にリスク資産を増やす動きが顕著で、中でも生成AIがらみの将来性やリターンを見込んでヘッジファンドも積極的に買いを入れた」と分析する。

    4月下旬以降は米景気減速を示す経済指標の発表が相次ぎ、利下げ期待から長期金利が低下したことから、「テック株に追い風が吹き、追加でエクスポージャー(投融資残高)を増やしていてもおかしくない」(木下氏)とみる。

    もっとも、ハイテク株は利益確定売りも出やすかった。デビッド・テッパー氏が率いるアパルーサ・マネジメントはエヌビディア株を4割、AMD株やマイクロソフト株を2割減らした。

    クオンツ運用のヘッジファンド、ツーシグマ・インベストメンツもラムリサーチ株を95%、メタ株を25%減らした。著名投資家ウォーレン・バフェット氏率いるバークシャー・ハザウェイはアップル株を13%減らした。

    今後の利下げを追い風に企業がM&A(合併・買収)や市場での資金調達に前向きになるとの見方から、投資銀行の収益回復にも期待が一部集まったようだ。ソロスやサードがゴールドマン・サックス株に、ツーシグマがモルガン・スタンレー株にも投資していた。

    同時に、1〜2月の米小売売上高が市場予想を下回ったことなどから消費低迷への警戒感もくすぶった。ビル・アックマン氏が率いるパーシング・スクエア・キャピタル・マネジメントは、ファストフードチェーン大手のチポトレ・メキシカン・グリル株を1割削減した。

  • >>6850

    ブリッジウォーターもマクドナルドやダーデン・レストランツといった外食大手株のほか、ディスカウントストア大手ダラー・ツリー株を減らした。

    ピクテ・ジャパンの田中純平ストラテジストは「低所得者層は物価高や金利高の影響を受ける一方で、高所得者層は株高による資産効果の影響が期待できる。対象とする価格帯によって銘柄選別が進みそう」とみる。

    米国市場にも上場する中国テック銘柄への投資姿勢は濃淡がみられた。中国株は不動産市況悪化による景気低迷で2月に安値をつけたものの、その後は「国家隊」と呼ばれる政府資金の買い支えや空売り規制などの株価対策で持ち直した。

    アパルーサがネット検索大手の百度集団(バイドゥ)株やアリババ集団株を買い増した一方、タイガーはネット通販の京東集団(JDドットコム)株の保有を減らした。「改めてエクスポージャーをとるのか、戻り売りするのか交錯する状況」(ピクテ・ジャパンの田中氏)との見方があった。