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政府が恐れる「デジタル敗戦」 脱炭素電源の不足に懸念

政府は2040年を見据えて脱炭素社会に向けた「グリーントランスフォーメーション(GX)推進戦略」を見直す。人工知能(AI)の普及などで電力需要が想定よりも増えるのに対応するためだ。再生可能エネルギーや原子力で電源不足を補えなければ、デジタル時代の日本の競争力を毀損しかねない。

「脱炭素電源の制約とそれに起因する『デジタル敗戦』は、産業基盤を根こそぎ毀損する危険性をはらんでいる」。政府は13日のGX実行会議で今後の戦略見直し方針に関してこう記載して、危機感を明らかにした。

AI技術の進展で製造業の現場は変容している。自動車の開発や設計段階では、AIを用いて膨大な演算処理が求められる。そのため、大規模なデータセンターや大量の電力が必要となる。

日本は今後、温暖化ガスの排出を減らしながら、電力増に対応するという難しい課題に取り組む必要がある。現状の電源構成では7割以上を火力が占めており、温暖化ガスを排出する化石燃料への依存度が高い。

外国ではIT(情報技術)大手などが送電ロスを避けるためにも、原子力など脱炭素電源の隣接地にデータセンターを建設する動きがある。国内に十分な計算能力を確保するうえで、脱炭素電源の充実が前提となる。

経済産業省の畠山陽二郎産業技術環境局長は「電力を必要な場所に、必要な量を、必要なタイミングで届けなくてはいけない」と強調する。

風力・太陽光などの再生可能エネルギーの適地は北海道や九州、稼働している原発は西日本に偏る。データセンターなど電力を大量消費する産業拠点を、こうした地域に戦略的に集積させる「GX産業立地」を新たに検討する。

現在の状況を放置すれば、エネルギーとデジタルの領域での新たな「双子の赤字」が定着し、足元の円安基調に歯止めがきかなくなる恐れもある。政府のGX戦略見直しの背景には、産業競争力確保、国際収支の状況を改善しようという狙いがある。

21年時点のエネルギー自給率は先進国で最低水準の13%にとどまる。原油や液化天然ガス(LNG)など化石燃料の輸入額が多いため、23年まで3年連続で貿易赤字となっている。

  • >>6627

    日本はデータセンターの規模でも海外に大きく水をあけられている。経済産業省のまとめによると、米国は日本の6.4倍、中国は2.3倍の容量を持つ。海外に計算資源を頼り続けることになれば「デジタル赤字」の形で国内からの富の流出が膨らみ続ける。

    23年7月に閣議決定した「GX推進戦略」では、GX経済移行債を財源に10年間で20兆円の政府支援をうたった。これを呼び水に官民で150兆円超の脱炭素投資を進める方針だった。

    新たに40年に向けた「国家戦略」へと発展させ、脱炭素電源の充実や産業集積を進めることで、政府による支援額が20兆円から膨らむ可能性も出てきた。既存のGX債の償還財源には、企業の二酸化炭素(CO2)排出に課金して削減を促すカーボンプライシングを予定する。今後、支援額が膨らむことになれば財源確保が課題に浮上する。