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「利下げは慎重に」元米財務長官の警告

30日のニューヨーク株式市場で、ダウ工業株30種平均は前日比1.5%安の3万7815ドルで終えた。インフレの長期化を示唆する指標が相次ぎ、1日まで開く米連邦公開市場委員会(FOMC)への警戒感が強まった。賃金や住宅価格の伸びが続くなか、著名エコノミストの間でも追加利上げの可能性を巡る議論が活発になってきた。

ダウ平均は月間で5%下落した。月次ベースで2022年9月以来の下げ幅となった。

「緩和のシグナルを出すことにもっと慎重になるべきだったし、今となっては利下げに慎重になるべきだ」。元米財務長官のラリー・サマーズ氏は30日、米連邦準備理事会(FRB)の金融政策を巡り、X(旧ツイッター)にこう記した。

サマーズ氏は世界銀行のチーフエコノミストから米財務次官などを経て財務長官に転じた。現在もハーバード大で教壇に立つ米国を代表するエコノミストだ。

  • >>6458

    FRBは1日までFOMCを開く。結果の発表を翌日に控える中でサマーズ氏がFRBに警告を発した理由は2つある。

    1つは賃金インフレのしぶとさだ。米労働省が30日発表した1〜3月期の雇用コスト指数は前四半期比1.2%上昇した。市場予想(1.0%上昇)を上回り、伸び率は1年ぶりの水準に達した。

    サービス業の比率が高い米国では、人件費の伸びはコスト上昇圧力となりインフレを押し上げる。米シティグループのアンドリュー・ホーレンホスト氏は「(雇用コスト指数の結果は)3%以上のインフレに相当する。インフレ率は今年も2%の物価目標を大幅に上回るだろう」とはじく。

    住宅インフレへの警戒感も強い。30日朝に公表された全米住宅価格指数とS&Pコアロジック・ケース・シラー指数はともに市場予想を上回る伸びだった。サマーズ氏は「住宅インフレが鈍化していないことを示唆している」と分析。「金利と住宅費の上昇により家賃の伸びも今後再加速するだろう」として、インフレ再燃への懸念を示す。

    30日の米債券市場では長期金利の指標となる10年物国債利回りは4.68%と前日比0.07%上昇した。金融政策の影響を受けやすい2年物国債利回りも一時5.04%と23年11月以来の高水準を付けた。

  • >>6458

    インフレが再燃すれば、市場が期待する利下げは一段と遠のく。それどころか、再び利上げにかじを切らなければならない可能性も視野に入れるべきだというのがサマーズ氏の考えだ。10日の米ブルームバーグのインタビューでも、FRBの次の一手が利上げになる確率は15〜25%と語ってみせた。

    利上げの可能性に言及するのはサマーズ氏だけではない。KPMGのチーフエコノミスト、ダイアン・スウォンク氏も「5月のFOMCで利上げの可能性について議論する参加者も出てくるだろう」との考えを示す。

    FOMCのナンバー2であるニューヨーク連銀のウィリアムズ総裁も、メインシナリオではないと断りつつ、「経済指標が要求するならばFRBは利上げをするだろう」と踏み込んだ。アトランタ連銀の集計でも市場は約15%の確率でFRBが年内の利上げに踏み切るとみる。2月の記者会見でパウエル氏が述べた「政策金利はピークに到達した」との見方は揺るぎつつある。

    もっとも、金融引き締めのやり直しを迫られれば「かなり破壊的なことになる」(3日のパウエル議長の講演)のも事実。現状、利上げはあくまで可能性のひとつにとどまるものの、市場では翌日の記者会見でパウエル氏がタカ派的な情報発信をするとの見方が支配的になっている。