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家具メーカー受難、輸入木材価格6割高 国産材シフトも

家具の素材として人気がある輸入木材の価格が高騰している。ナラ材の輸入単価は4年で6割、タモ材は4割上がった。新型コロナウイルス禍に伴う世界的な木材相場の高騰を起点に、海上物流費の高止まりや円安が追い打ちをかけた。輸入材高騰を受け、家具メーカーは国産の樹木の利用に乗り出している。

ナラやタモといった広葉樹は堅くてキズがつきにくく、耐久性に優れることで多くの家具や床材などに使われる。日本の家具には北米からの輸入材がよく使われる。

財務省の貿易統計で2023年のナラの製材品の輸入単価は1立方メートルあたり約23万6000円。コロナ禍前の19年比で6割高い。タモは同20万円で4割高い。

  • >>6395

    コロナ禍以降、輸入木材相場には上昇圧力がかかり続けている。21〜22年には米国での需要拡大をきっかけに世界で木材が高騰した「ウッドショック」が発生。その後いったんは落ち着いたが、今度は物流費の高止まりと円安が調達コストを押し上げる構図だ。

    「中国が調達を増やし、相場の押し上げ要因になっている」(国内家具会社の担当者)との見方もある。輸入木材の価格上昇は国内で家具の値上げの一因になった。

    調達コスト抑制のためには国産材が選択肢にのぼるが、一筋縄ではいかない。

    スギやヒノキなど針葉樹が多い日本では、広葉樹の供給量がもともと少ない。なかでもナラは日本産ウイスキーの人気で樽(たる)会社やウイスキーの蒸留所などが高値で買い付ける動きが活発となり、急騰している。

    北海道産ナラの丸太相場は、取引が多い旭川林産協同組合(北海道旭川市)の銘木市での平均価格が23年度に1立方メートルあたり9万1700円と新型コロナ禍前の19年度比で73%高い。

    旭川市の家具メーカー、カンディハウスでは道産ナラ材の原木や製材品の仕入れコストが現在、5年前の5割高から2倍の水準という。ナラ材と同様、道産タモの仕入れコストも5割高から2倍になった。

    そこで家具メーカーが足元で模索するのが、使用する樹種の拡大だ。カンディハウスは道産ナラやタモよりも価格が手ごろなニレやサクラ、センの活用を進める。供給が限られるなか一部の樹種に偏らないようにする狙いもあるという。今年から主力シリーズの製品群にニレで製造したイスを加えた。

  • >>6395

    家具生産が多い岐阜の飛驒地方では柏木工(岐阜県高山市)がスギを活用。針葉樹のスギは軟らかく家具には向かない素材とされるが、圧縮加工を施すことで堅くした木材でテーブルやイスなどを生産する。一般家庭のほか企業向けにも販売を広げている。

    九州の福岡・大川家具工業会(福岡県大川市)はスギやヒノキなどより成長が早く、堅くて丈夫な材木がとれる「センダン」に着目した。県内での植樹や商品開発に取り組む。「将来の安定調達を見据え、地域で循環するモデルを構築していきたい」(同工業会)という。

    家具は木材の風合いが重要な要素のひとつ。使用する樹種を広げれば家具メーカーにとってはデザイン面でも工夫が必要になり、容易ではない。柏木工は「(樹種の変更には)生産工程を見直す必要がある。強度が違えばデザイン面の制約もでてくる」と説明する。輸入木材の高値は日本の家具づくりの現場に変化を促している。