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prismhit~~~明日から令和ですね。
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>>6234

なかなか下がらない物価と金利は個人消費の足かせになり、まだ堅調な米景気を中長期的に冷え込ませるリスクを高める。すでに消費の現場では異変が随所にみられる。

「食品や消耗品の価格上昇は緩やかになり、それ以外の商品はむしろ値下げしている」。米小売り大手ウォルマートのダグ・マクミロン最高経営責任者(CEO)は足元で消費者の購買力低下と需要の減退が進んでいると指摘する。

一方、同業他社よりも安い価格に引かれて従来より所得の高い層の利用が増えているという。米コストコ・ホールセールでも同様の傾向がみられ、リチャード・ギャランティ最高財務責任者(CFO)は「税や手数料を含んだ価格表示の徹底」が集客につながっているとみる。消費者が価格や負担感に敏感になっている様子が浮かぶ。

中低所得層の余裕のなさは日本の100円ショップにあたる「1ドルショップ」の経営不振に表れる。大手のダラー・ツリーは1000店を閉鎖し、99センツ・オンリーは経営破綻に追い込まれた。こうした業種は安さが売りだが、日用雑貨や季節商品の取扱比率が高く、消費者が支出を切り詰めた際の影響を受けやすい。

消費を支える労働市場の強さも盤石ではない。3月時点の失業率は3.8%と低水準を保つが、人種別でみると黒人が6.4%と昨年末から1.2ポイント上がって約1年半ぶりの高水準になった。白人などとの格差が拡大し、消費余力の差が広がりかねない。

金融面でも景気の変調を示す指標が目立つ。ニューヨーク連銀によると、クレジットカードと自動車ローンの返済が30日以上遅れた割合(延滞率)は23年10〜12月期にいずれも約13年ぶりの高さになった。ドイツ銀行のブレット・ライアン氏は「大半の所得層で貯蓄が枯渇しつつある証左だ」と指摘する。

過去に景気後退の直前や最中にみられた銀行融資の減速も足元で起きている。米企業業績の拡大を期待した株高など、経済の軟着陸を前提にした市場もシナリオの再修正を迫られている。