ここから本文です
prismhit~~~明日から令和ですね。
投稿一覧に戻る

prismhit~~~明日から令和ですね。の掲示板

住友商事、2000億円投じ蓄電池網 再生エネを安定電源に

住友商事は2000億円をかけて全国に蓄電池を設置する。太陽光や風力などで発電した電力が需要を超えた場合などに蓄電池にためて、必要に応じて放出する。政府は再生可能エネルギーを主力電源と位置づけている。伊藤忠商事ENEOSも同様の取り組みを進めており、主力電源に必要な安定供給に向けて前進する。

住商は熊本県にあるJR九州沿線の遊休地に容量約6000キロワット時の蓄電池を設置した。今後九州で4万キロワット時まで増やす。ためた電気を系統に供給するほか、電力需要が大きい半導体工場などへの直接販売も想定する。

北海道や東北などでも蓄電池網を整備し、30年度までに総容量を最大200万キロワット時に増やす。最大で2000億円を投じ、国内最大規模の蓄電池投資となる。

全国に設置した蓄電池は、東京の本社で一元管理する。独自開発した人工知能(AI)システムによって、ほぼ自動で充電やためた電気の売電をする。

  • >>6091

    太陽光や風力は発電量が天候や時間帯、季節で大きく変わる。需要に発電量が届かない時や、需要を超えて発電してしまうこともある。送電網の容量を超えた再生エネは出力制御という形で捨てているのが現状だ。再生エネを蓄電池にためておくことができれば、出力制御が予想された時に充電し、逆に電力が逼迫した時に迅速に放電できる。

    24年度からは電力の需給を調整して報酬を得る「需給調整市場」が全面解禁され、需給に応じて高い価格で売電できるようになった。蓄電池網の費用対効果が上がり、住商は30年に年数十億円の利益を生めるとみている。

    送電網は不足しており、出力制御は23年に前年の3倍の約290回に増えた。九州では再生エネの9%を廃棄した。経済産業省は30年の再生エネ導入目標を達成した場合に、対策を取らなければ東北や北海道で半数超の電気が捨てられることになると試算する。

    政府は6兆〜7兆円を投じて送電網を整備する計画だが、10年以上かかる可能性もある。蓄電池も活用するため、補助金制度を設けている。

    米調査会社ブルームバーグNEFによると、国内の系統用の蓄電池市場は30年に年835万キロワット時と、23年から約4倍に拡大する見通し。伊藤忠は30年までに国内中心に10〜20カ所で蓄電池を使った電力供給事業に参入する方針。ENEOSも25年度までに千葉県で同事業を始める。

  • >>6091

    住商の蓄電池網では日産自動車の電気自動車(EV)「リーフ」の中古バッテリーを再利用する。EVは経年劣化で走行距離が減少する。安全性からも約8年程度でバッテリーは交換となる。

    そのバッテリーは容量が7割程度残っており、EV用としては使えないが電力用の蓄電池としては数年間使える。資源活用の循環型経済にもつながる上、EVが普及すると中古バッテリーが安価に大量に入手できるようになり、投資額の抑制にもつながる。

    世界的な脱炭素で、政府は30年度までに老朽火力発電所の休廃止を進めている。新設も難しく、23年には関西電力が和歌山市内で計画していた大型火力の建設中止を決めた。蓄電池網の整備は火力の代替にもつながる。

    先行する米欧も支援を強化している。米政府はインフレ抑制法(IRA)で再生エネ向け蓄電池の投資を税額控除の対象とした。欧州でも容量が10万キロワット時を超える大規模な蓄電所の投資計画が相次いでいる。