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prismhit~~~明日から令和ですね。
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>>5877

ニューヨーク市場の先物価格(期近)は3月下旬に初めて1トン1万ドルに到達し、今月2日には史上最高値の同1万324ドルを記録した。現物取引の指標であるロンドン市場の先物価格(第2限月)も2日に1トン8050ポンド(約1万170ドル)の最高値を付けた。いずれの市場でも年初比で2倍超、1年前比では3倍を超す高値となっている。

高騰のきっかけは、2カ国で世界生産の過半数を占めるコートジボワールとガーナの不作に伴う供給不安だ。異常気象や病害発生などの影響で収穫が大きく落ち込んだ。国際ココア機関(ICCO)によると2月時点でこの2カ国の主要港湾に集まったカカオ豆の集荷量はそれぞれ前年比3割減った。

立花商店(大阪市)の生田渉取締役は「不作で輸出業者が十分な量を集荷できず、海外の需要家との契約が不履行になるなどの問題も生じている」と指摘する。「工場を急に止められないアジアや欧州の加工業者などが調達に不安を覚え、高値でも買い集めたことも一因になった」とみる。

これに拍車をかけたのが金融市場での「ショートスクイーズ」だ。

加工業者や流通業者などの当業者は通常、現物を保有している期間の価格下落を回避(ヘッジ)するために先物市場で売り持ち高を保有する。足元では価格急騰を受けて、ヘッジ売りで含み損が膨らんだ当業者がマージンコール(追加担保の差し入れ要求)に対処するため、多額の資金を用意しなくてはならなくなった。取引に必要なイニシャルマージン(当初証拠金)も平時の4倍ほどに跳ね上がった。

伊藤忠商事の山田恵公カカオ・ゴマ課長は「ヘッジ売りをしていた当業者を中心にマージンコールの圧力に耐えきれず、売り持ち高解消のための買い戻しを余儀なくされたことが相場の上昇を加速させた」と分析する。

カネ余りで運用先を探すヘッジファンドが、市場のゆがみを突いて商品市場にマネーを投じていることも、急騰に拍車をかける要因だ。

足元ではカカオの買い戻しも徐々に進みつつあり、急激な相場の動きは一旦は止まる可能性もある。ロンドンとNYの先物市場では、ファンドの買越残高と当業者の売越残高はともに直近ピークの1月下旬から3分の1以下に減った。