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日経平均底堅く 損保大手「政策株売却で増益」が追い風

21日の東京株式市場で日経平均株価は底堅さをみせた。市場参加者の目を引いたのは前日に決算を発表した大手損保株だ。政策保有株の売却益による今期の大幅増益予想を打ち出した2社の大幅高が際立った。

日経平均の21日の終値は前日比122円(0.31%)安の3万8946円だった。朝方に上げて始まり、一時は200円を超える上げ幅となった。その後は戻り待ちの売りから上げ幅を狭め、午後に下げに転じて3万9000円をやや下回ったが大崩れすることはなかった。

この日の買い材料は前日の米国株市場でハイテク株などが上げたことだ。そして国内要因も相場の追い風になった。損保大手のMS&ADインシュアランスグループホールディングスは一時、前日比18%高の3265円まで上げた。東京海上ホールディングスも一時9%高まで上昇し、そろって株式分割を考慮したベースでの上場来高値を更新した。日経平均の上昇寄与度で、MS&ADが3位となり、東京海上も上位に入った。一方、SOMPOホールディングスは6%安まで下げた。

  • >>6791

    上場する大手3社はそろって20日の取引終了後に決算を発表した。2024年3月期は、3社合計の連結純利益が前の期比2.3倍の1兆4800億円だった。株高で政策保有株式の売却益が膨らんだことなどで3社とも最高益を更新した。

    市場の評価を分けたのは25年3月期の純利益予想だ。MS&ADが前期比65%増の6100億円と事前の市場予想の平均であるQUICKコンセンサス(11%増の4100億円)を大幅に上回った。東京海上は25%増の8700億円で、こちらも5%減の6591億円を見込んでいた市場予想を上回った。今期も引き続き政策保有株の売却益が利益を押し上げるという。

    りそなアセットマネジメントの戸田浩司シニア・ファンド・マネージャーは「売却益効果はもともと期待されていたが、『ここまで利益を押し上げるのか』という驚きの今期予想だ。投資家にとってはポジティブサプライズだ」と指摘する。

    売却益を株主還元に充てる方針も好材料だ。中でもMS&ADは決算発表に併せて1900億円の自社株買いを発表。SMBC日興証券の村木正雄シニアアナリストは20日付のリポートで「株主還元については各社一段と積極化したが、際立っているのがMS&AD」と指摘。21日の東京株式市場でも同社株の上昇が際立った。

    SOMPOはシステム開発費用などがかさみ今期を減益予想としたことが嫌気された。政策保有株の売却計画が今期に最低2000億円以上と、24年度に6700億円としたMS&ADに見劣りすることも響いた。もっとも、「SOMPOの業績予想は保守的」(りそなアセットの戸田氏)との見方もあり、市場は悲観一辺倒ではない。

  • >>6791

    国内の人口減少が進むなか、各社とも保険料の値上げなど国内事業のテコ入れは共通の課題として残る。本業のもうけを示す保険引受利益は伸び悩んでおり、手放しで損保株高を喜べるわけではない。

    それでも回復基調をたどり3万9000円付近で粘る日経平均の地合いを助けるには十分な役回りを果たしている。21日の損保大手2社の株価上昇は「個別の好材料に素直に買いが入るようになり、日本株市場の雰囲気がよくなってきている」(東海東京インテリジェンス・ラボの安田秀太郎マーケットアナリスト)ことを投資家に印象づけた。