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ダウ今年最大の下げ 「5月に売れ」は賢明か

インフレ懸念が再び米株式相場の逆風となっている。4月30日の米株式市場でダウ工業株30種平均は前日比570ドル安の3万7815ドルで終え、下げ幅は今年最大だった。同日発表の経済指標が賃金インフレの高まりと米景気減速を示した。市場では年央(5〜10月)の株安という経験則がひんぱんに話題に上り、地合いの弱さを浮き彫りにしている。

この日発表された1〜3月期の米雇用コスト指数は前四半期比の上昇率が1.2%と市場予想(1.0%)以上に加速した。1〜3月の物価指標が上振れするなか、市場では「移民増などによる労働力人口の拡大で賃金の伸びが鈍る」とのシナリオがインフレ抑制に向けた「一筋の光明」としてささやかれてきたが、その説にも危うさが出てきた。

金融引き締めと根強いインフレが米景気を冷やす可能性も意識された。4月の米消費者信頼感指数は市場予想を下回り、22年7月以来の水準に低下した。「物価の高騰(特に食品やガソリン)が、消費者の不安につながった」(コンファレンス・ボード)という。

  • >>6444

    4月のシカゴ購買部協会景気指数(PMI)も予想に反して低下し、22年11月以来の低さだった。内訳では新規受注や雇用などが低下した半面、支払価格が23年8月以来の高さだった。景況感が悪化するなかで構造的なインフレ圧力が残る可能性を示唆しており、「市場に『(インフレと景気停滞が同時進行する)スタグフレーション』という言葉を思い起こさせた」(シーミス・トレーディングのジョセフ・サルッジ氏)との受け止めにつながった。

    米長期金利は一時、前日比0.08%高い(債券価格は安い)4.69%まで上昇した。4月に入って0.5ポイント近く上昇している。「この高金利では米国株のバリュエーション(投資尺度)の高さを正当化するのが難しくなる」(ミラー・タバックのマシュー・マリー氏)との懸念が強まりやすい状況だ。

    しつこいインフレと利下げの先送りが相場の一段の調整につながりかねない――。市場では「セル・イン・メイ(5月に株を売れ)」が賢明な選択かどうかの議論が盛り上がる。

    株の持ち高縮小には懐疑的な意見も少なくない。緩やかながらもインフレ鈍化が続き、米連邦準備理事会(FRB)の年内の利下げ開始で米景気後退が避けられるとするなら、ファンダメンタルズ(経済の基礎的条件)は悪くない。企業業績も改善基調で、「撤退はせず、循環させるべき」(CFRAのサム・ストーバル氏)と循環物色を推奨する声が聞かれた。

  • >>6444

    米主要株価指数は4月にそろって月間で下げ、昨年11月以来6カ月ぶりの下落となった。多くの機関投資家が運用指標とするS&P500種株価指数の下落率は4%だった。業種別では金利上昇の影響を受けやすい「不動産」などの下げが目立ち、「IT(情報技術)」などハイテクも売られた。「公益事業」だけがなんとか上げを確保した。

    ハイテクや半導体含めて全般に売られた日だったが、輝きを放つ銘柄もあった。例えば約6%上げた製薬のイーライ・リリー。肥満治療薬への需要が強く、同日発表の四半期決算とあわせて通期の業績見通しを大幅に引き上げたのを受けた。

    同日発表の四半期決算が市場予想を上回ったスリーエムも地合いの弱さに逆行し、4.7%上げた。ディフェンシブ株や割安な出遅れ銘柄に資金を待避する動きもないわけではない。

    4月の地合いが継続するのかを見極めたい市場参加者の関心は、1日の米連邦公開市場委員会(FOMC)後のパウエルFRB議長の記者会見に集まる。インフレ高止まりや米景気減速、金融引き締め長期化などを巡って高まる市場の不安を鎮めることができるかが焦点だ。