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金、3000ドルに上昇予想 地政学リスクで「安全資産」需要

安全資産とされる金(ゴールド)の上昇圧力が強い。19日にはイスラエルによるイランへの報復を受けて一時1トロイオンス2400ドル台へ急上昇した。地政学リスクやインフレなど世界に不安材料が多く、金融機関は相次ぎ金価格の予想を引き上げている。

「金の本質的な安全資産としての価値が向上している。幅広い不安の受け皿になっている」。マーケットエッジの小菅努代表はこう指摘する。中東情勢については「現時点では詳しい情報は明らかではないが、今後イランが報復するなどさらに地政学リスクが高まれば金は一段高となるだろう」と話す。

国際指標となるロンドン現物価格は2月中旬には2000ドルを下回っていた。そこから市場関係者の予想を裏切るほどの急上昇となり、12日には2431ドルの最高値を付けた。上昇中には8営業日連続の最高値更新を記録。これまでの最長だった11年の欧州債務危機などの7営業日を上回った。

  • >>5995

    金融機関は相場に追われるように予想を引き上げている。米シティグループと米バンク・オブ・アメリカ(BofA)は25年に3000ドルとした。米ゴールドマン・サックスは年内に2700ドルとみる。

    先高観の背景にあるのは「複合リスク」と呼べる幅広い不安だ。

    まず地政学リスク。ロシアによるウクライナ侵攻からイスラエルによるガザ地区への攻撃と戦争が続いている。米中対立も緩和が見えない。

    地政学リスクは米国からの米ドルを使った経済制裁を嫌った中国など各国の中央銀行による金買いにつながっている。スイスのUBSは「価格に敏感でない中央銀行の買いが今後数カ月の間膨らむ」とみる。実際、中国人民銀行は3月末時点の外貨建て準備における金の保有量を17カ月連続で増やした。

    ゴールドマンは「米大統領選挙に伴う急騰リスク」を指摘する。秋の米大統領選でトランプ前大統領が再選すれば、米中関係が冷え込むほか、米政府によるウクライナや中東への支援・関与の後退も懸念される。

    次にインフレ再燃のリスクだ。物価の上昇率が高いと現預金の購買力は目減りする。実物資産であり、インフレに連動して価格が上がる傾向がある金に資金が向かいやすくなる。米国の消費者物価指数(CPI)が3カ月まで3カ月連続で予想を上振れするなど、インフレ圧力が再び強まっている。

    シティは不況と物価高が重なるスタグフレーションのリスクは低いとしながらも「財価格が上昇する一方、消費や投資が減速する環境になれば、株式は弱気相場入りし金の需要を支える」とみる。

  • >>5995

    金は基軸通貨の米ドルと比較されやすく、米ドルの魅力を測る実質金利(インフレを加味した正味の金利)と関係が深い。ドルの実質金利が低下しドルの魅力が落ちると金が買われやすい逆相関にある。

    ところが、足元では米国の利下げ期待が後退し実質金利が上昇するなかでも金が高止まりしている。「21年上半期以降は金と実質金利との関係が弱く、地政学リスクなど他の価格要因に重点が置かれている」(シティ)ためだ。

    理由として、BofAは「中銀や中国の小売の買い需要が強い」とみる。中国では不動産市況の下落を受けて、個人による投資も盛んだ。欧米ではインフレ、日本では円安を嫌った金買いが起きており、米実質金利とは違う要因で米金利が押し上げられている。

    もっとも、米国が本格的な利下げ局面に入れば、やはり米実質金利の低下を原動力にして金が上がるとの見方も多い。UBSは米国が利下げをはじめれば「上場投資信託(ETF)の保有量が増える」とみる。ETFは米金利に敏感な欧米投資家が主体だ。

    死角はないのか。ゴールドマンは①米国によるドルを使った制裁への不安後退②各国中銀の金買い目標の達成③中国の成長懸念の後退④FRBが利上げに転換――の4つを下落要因とする。ただ、「こうした要因が短期的に重なる可能性は低く、強気モメンタムが続く」と予想する。