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株式投資クラブの掲示板

おはようございま~す
世界株高、色濃い選別 IT・消費にマネー集中
米国株が史上最高値を更新し、米中の休戦をきっかけにした世界株高の様相が強まっている。世界の市場を見渡すと、デジタル化で成長するIT(情報技術)や、堅調な消費市場の勝ち組の株高が目立つ。
今年は、クラウド事業や人工知能(AI)スピーカーなどで稼ぐ力が再評価された。QUICK・ファクトセットの集計ではGAFA4社の19年の純利益は合計1171億ドル(約13兆円)と5年前の約2倍の見通しだ。

世界経済の成長力が落ち、外部環境に左右されずに稼げるITに投資マネーが集中する構図だ。もう一つの柱は、貿易が減り、製造業が不振に陥る中でも堅調さを保つ消費市場で伸びる企業だ。

時価総額が1000億ドルを上回る世界の主要企業を対象に、世界株が高値を付けた18年1月26日以降の株価上昇率をランキングすると、IT、消費関連が上位に並ぶ。

米マスターカードの株価は同期間に62%上昇した。キャッシュレス化が世界で広がり、「カード決済の利用拡大が続いている」(野村証券の村山誠氏)。ルイ・ヴィトンなどを傘下に持つ仏LVMHモエヘネシー・ルイヴィトンや、中国酒造大手の貴州茅台酒は中国の需要を取り込んでいる。

日本株ではIT投資の恩恵を受ける半導体製造装置や電子部品株に資金が流入し、同期間にアドバンテスト(2.4倍)や太陽誘電(60%高)が上昇した。消費関連では資生堂(54%高)やファーストリテイリング(38%高)の上昇が目立つ。

一方、下落率上位には中国石油天然気(39%安)や中国農業銀行(32%安)、騰訊控股(テンセント、30%安)など中国株が並ぶ。米中摩擦が重荷だ。全般に自動車や鉄鋼など製造業の株価水準はなお低い。

各国別では、ITの多い米国株の強さが際立つ。世界取引所連盟(WFE)などの集計をもとに計算すると、米国株全体の時価総額は35.9兆ドルで世界の42.4%を占める。シェアは15年ぶりの大きさになった。

一方、日本株は18年10月に付けた高値(2万4270円)に4%ほど届かない。中国株や香港株も18年以降に付けた高値を1割以上下回る。対中輸出の多い韓国では高値からの株価下落率が2割近い。米中摩擦や地政学リスクによる投資家の選別姿勢が強まっている。