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フィンク氏「インフレ大きな衝撃になる恐れ」-70年代知らず多数

(ブルームバーグ): 世界最大の資産運用会社である米ブラックロックのローレンス・フィンク最高経営責任者(CEO)は、インフレ急加速の可能性を投資家は過小評価している恐れがあると語った。

フィンクCEOはドイツ銀行主催の2日のバーチャルイベントで、「大部分の人々は40年を超えるキャリアを持たず、過去30年余りにわたりインフレ率が鈍化した経験しかない。その意味でこれはかなり大きな衝撃になるだろう」と発言した。

鉄鋼や木材を含む物品価格が今年に入り上昇し、インフレ高進の不安が米国市場に既に浸透している。フィンク氏は高インフレ下にあった1976年にファースト・ボストンでキャリアをスタートさせたが、米国の消費者物価指数(CPI)の上昇率は80年3月に14.8%に達した。

フィンク氏は物価上昇が懸念されるようになった場合は、中央銀行は金融政策の再評価が必要になるかもしれないと予想。バイデン政権が提案する巨額のインフラ投資を含む追加経済対策に言及し、連邦準備制度が金融政策を見直すことになれば、財政刺激策と整合しないと受け止められる可能性があるとの見解を示した。

同氏は「これほど巨額の財政出動を行うと同時に金利を引き上げるというのは、かなり奇妙に映るだろう」と述べた。

フィンク氏によれば、気候変動という現実に企業が適応していく過程で物価が上昇することも考えられる。ブラックロックは、2050年までに温室効果ガス排出量を実質ゼロにする目標への対応計画を企業に開示するよう求めている。

同氏は「これを全て行う技術はわれわれにはまだなく、ひたすらグリーン社会を実現することが、われわれのソリューションになれば、インフレはずっと加速し、いずれ大きな政治問題になるだろう。インフレがグリーンの足跡を加速させるとしても、さらなるインフレを受け入れる覚悟がわれわれにあるだろうか」と指摘した。

原題:BlackRock CEO Fink Sees Potential for ‘Big Shock’ From Inflation(抜粋)

(c)2021 Bloomberg L.P.