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米国株ETFを語ろう
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米国株ETFを語ろうの掲示板

6000円の少額からできる「金投資」でリスク分散
「金ETF」のメリット・デメリットと注意点

金(ゴールド)の価格が5年前と比べて約1.5倍に上昇しています。

金は「有事の金」と昔から言われています。

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金は希少性があり株式や債券などとは異なり、実物資産として過去に価値がゼロになったことはありません。

世の中の動きが不安定になればなるほど金の価格は上昇しています。

そのことから、資産分散先の1つとして保有資産の5~10%程度を金で保有するという考え方もあります。

金を投資対象とした場合には金地金を購入する方法もありますが、手軽に購入できる「金のETF」も検討のうちの1つに入れてみませんか。

ETFとは何か
ETF(Exchange Traded Fund)は「上場投資信託」と言われており、日経平均株価やTOPIX、NYダウなど特定の指数(ベンチマーク)の動きに連動するように設計されている投資信託です。

証券取引所に上場しており、金融機関などで販売されている投資信託よりも信託報酬が低い場合が多く、購入手数料も上場株式を購入する時と同じです。

さらに、ETFは証券取引所の取引時間内であれば、取引時間内の株価などの値動きに応じてリアルタイムで取引できます。税制も上場企業等の税制と同じです。

金ETFとは
金ETFとは、読んで字のごとく「金の価格」に連動することを目指したETFのことです。

国内では次の4本が上場しています。以下は銘柄名とそれぞれの連動指標です。

「SPDRゴールド・シェア (1326)」:
金地金価格(ロンドン金値決め)
「NEXT FUNDS 金価格連動投資信託 (1328)」:
金1g当たりの円表示の金価格

「純金上場信託(現物国内保管型)(1540)」:
金地金1グラムの現在価値(理論価格)

「WisdomTree 金上場投資信託 (1672)」:


ETFによって株価(価格)は異なりますが、2万円以下で1口の購入が可能です。中には1口6000円以下のETFもありますので、購入時期の分散もしやすいと言えます。

「NEXT FUNDS (1328)」以外の3本は金の現物の裏付けがあります。

裏付けがあることで、運用会社が保有する金の残高に応じて発行される仕組みです。そのため、運用会社の破綻はレアケースではあるものの、運用会社の破綻リスクを抑えられます。

そして、「純金上場信託(現物国内保管型)(1540)」は金ETFの中で唯一「金地金」との交換が可能です。なお、一定の口数以上の場合に限られ、交換の場合には手数料が発生します。

■金ETFのメリット
金ETFのメリットは、

・ 少額から金への投資が可能である
・「NISA」も利用できる

ことです(「つみたてNISA」は不可)。

また、金貨や金地金を保有する場合には自宅で保有するとなると盗難リスクが生じます。

購入時に購入手数料が発生し、販売業者に保管を依頼すると保管手数料が発生する場合もあります。

しかし、この金ETFには盗難リスクはありません。

購入時の手数料は株式と同じですので、ネット証券を利用することで購入手数料はゼロまたは少額に抑えられます。

保有中には信託報酬(管理費用)が差し引かれますが、保管手数料と比べると低い金額です。

なお、非上場の金価格に連動する投資信託もありますが、金ETFのほうが取引コストが低いのが実状です。

■金ETFのデメリット
主に考えられるデメリットはと

・ 配当金が出ない
・ 他の種類のETFと比べると信託報酬は高め

の2点です。

金地金への投資も含めて、金を保有しているだけでは、そこから利息が発生しないため分配金もありません。

金ETFの中には分配金支払期日を設定しているものもありますが、分配金は支払われていません。

また、金ETFを保有中に発生する信託報酬も0.4%~0.5%(年)となっており、日経平均株価やTOPIXに連動するETF(信託報酬0.2%以下)と比べると信託報酬は高めであると言えます。

しかし、連動する指標が異なっているため信託報酬が高めになっているのはやむを得ないとも言えます。

■金ETFの注意点
注意すべきは、金ETFの購入目的が「資産保全ではなく、収益を狙って購入する」という場合です。

金はここ数年で価格が上昇していますが、世界的な需要と供給や世界情勢によって価格が変動してきます。

したがって、一度に多額の金額を購入してその後に大きな価格の下落が発生してしまうと、分配金もないためその後の対処法が限られてしまいます。

金ETFで収益を発生させる方法は、金価格の上昇(株価・価格)の上昇のみなのです。

また、為替の影響で「金価格の上昇=金ETF」の上昇にはならないことがありますので、理解しておく必要があります。

他の運用商品と同じように購入する時期を分けるなど価格変動に備えた対応が必要です。

金地金や金貨などは面倒だという方は検討を
金投資に興味はあるが、金地金や金貨など購入方法や税制など理解するのが面倒くさいと思う方、百万円以上などの多額の資金を金投資に振り向けることが難しいという方は、一度、金ETFを検討されるのがよいことでしょう。(執筆者:岡田 佳久 / CFP、FP技能士1級、キャリアカウンセラー(CDA)、 1級DCプランナー(金融財政事情研究会) 、第二種証券外務員(未登録)、住宅ローンアドバイザー(金融検定協会))