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株の掲示板

あるある信用調査会社幹部によれば、「10年続くとされる中小・零細『コロナ構造不況』だが、株価は強弱『K字回復』二極化の勝組が牽引する形で堅調推移が見込まれる」という。

コロナ禍に直撃されて経済が急激に落ち込んだ後、回復する産業と停滞する産業と「2極化」が進むことを「K字回復」という。

急激に全体が回復する「V字」や、落ち込んだままの「L字」と比べられる。コロナ禍からの回復は、急回復の「V字」、低迷が続く「L字」、回復に時間を要する「U字回復」のいずれでもない強い企業がより強く、弱い企業がより弱くなる「K字回復」のような二極化が加速するという見立てだ。

新型コロナ禍からの回復局面では、業種ごとの回復速度の違いだけでなく、貧富の差の拡大や一部の銘柄に限られた株価急騰など多くの場面で「K字」が出現している。

大企業の景況感にも「K字」が顕在化していることが日銀「3月短観」で判明した。その軌跡は「V字回復」ならぬ「K字回復」であり、製造業が右肩上がりなのに対し、「宿泊・飲食サービス」は厳しさを増し「K字」の右下部分のようだ。

景況感が「良い」と答えた企業の割合から「悪い」の割合を引いた大企業製造業の業況判断DIは+5と市場予測を大きく上回り、前回20年12月調査から+15pt改善し19年9月のコロナ前に復活を果たした。

米中など海外経済は昨夏以降回復に転じ、外需依存度の高い製造業に追い風となり業種別DIをみると、コロナ禍で手控えられた自動車など製造業の更新投資持ち直し等を反映し生産用機械+8(+29pt)、電気機械+18(+19pt)等が大幅改善した。

対照的なのがサービス業の停滞であり、大企業非製造業の業況判断DIは-1と前回から4pt改善したがコロナ前19年12月+20と比べれば回復には程遠い。

特に、年明け大都市圏での緊急事態宣言の再発令に外出自粛や店舗の営業時間短縮の動きがサービス業に逆風となり、宿泊・飲食サービスは15pt低い-81と歴史的な低水準に落ち込んだ。

ハイテクなど製造業の回復力の強さとコロナ禍に直撃されたサービス業の停滞という「K字」の二極化である。

コロナ禍で深刻な打撃を受けた中小企業非製造業は雇用の裾野も広く、家計には恩恵がなかなか行き届かない。コロナ禍に直撃された中小・零細企業の多くは内需産業であり、円安による輸入物価上昇が輸出製造業と内需産業の格差を一段と広がる。

いずれにせよ、「コロナ構造不況」は向こう10年にわたって「K字回復」が象徴する産業「二極化」を深化させるが、株価は二極化の「勝ち組」が牽引する格好で堅調裡の推移が見込まれる。