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ゼロから始める株式投資
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ゼロから始める株式投資の掲示板

2022-01-21 03:30
見通し
株式明日の戦略ー大幅高で底割れを回避、地合い改善にはもう一段の戻りが必要

 20日の日経平均は3日ぶり大幅反発。終値は305円高の27772円。米国株安を受けて下げて始まったものの、すぐにプラス圏に浮上。ただ、そこから上げ幅を200円超に広げた後、マイナス転換して下げ幅を200円超に広げるなど、前場は不安定な値動きが続いた。値上がり銘柄は多く、前引けでは3桁の上昇。後場に入ると下値不安が和らぎ、じわじわと上げ幅を広げていった。取引終盤にはやや失速したが、高いところでは400円超上昇する場面もあった。マザーズ指数は800ポイントを割り込む場面もあったが、後場には強い動きが見られ、2%を超える上昇となった。

 東証1部の売買代金は概算で3兆1600億円。業種別では精密機器やサービス、その他製品などが上昇している一方、海運や保険、鉱業などが下落している。自己株取得を発表した伊藤忠商事が大幅上昇。半面、佐渡金山の世界遺産登録の推薦が見送りになると伝わったことを受けて、佐渡汽船が象徴的に売り込まれた。

 東証1部の騰落銘柄数は値上がり1559/値下がり539。前日に急落したソニーGに見直し買いが入って5.8%高。ソフトバンクGや任天堂の動きが良かったほか、リクルート、オリンパス、エムスリーなどに強い動きが見られた。リポートを材料に三越伊勢丹が大幅高。高島屋やH2Oリテイルなど百貨店全般に好影響が波及した。マザーズではビジョナルやFRONTEO、メドレーなどが大幅高。ほか、シライ電子がリリースを材料にストップ高まで買い進まれた。

 一方、川崎汽船や商船三井など海運株の弱さが目立った。レーザーテックや東京エレクトロンなど半導体株が軟調。T&Dや第一生命など1月に入ってからの動きが強かった保険株が利益確定売りに押されたほか、直近で買いを集めたUUUMやバーチャレクスなども、一転して大きく売り込まれた。

 昨晩の米国株は下落したが、日経平均は上昇。きのう790円下げたことを鑑みると、きょうの305円高には物足りなさもある。ただ、きょうは米国株安を嫌って下落してもおかしくない日で、実際、前場では仕掛け的な売りも観測された。そこで崩れずに切り返し、それなりの値幅が出てプラスで終えたことは評価できる。ローソク足では実体の長い陽線を形成。今晩の米国市場でリスクオフムードが強まらなければ、きのうでいったん売りは出尽くしたとの見方が優勢となるだろう。先週末(1/14)の終値は28124円で、今週中にこの近辺まで戻しておきたい。気味の悪い下げをみた週に、週間では大きく水準が変化しなければ、弱材料への耐性がつく。来週からは決算も多く出てくるが、ここで全体に下げ止まり感が出てくれば、決算に対する株価反応が良くなる可能性が高い。一方、今晩の米国株が大きく下げてしまうとやっかいだ。あすは週末でリスク回避の売りは出やすく、きょうの上昇分はあっさり吹き飛んでもおかしくない。週間で大幅安になってしまうと、弱気ムードが来週まで持ち越されることになるだろう。