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株式投資ひとりごとの掲示板

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 高群、つまりポジティブ・サプライズ群は特に目立った点はなく、決算発表日前日までほぼ横ばいといった感じだが、低群、つまりネガティブ・サプライズ群は高群を大きくアウトパフォームし、決算発表日前日が近づくにつれて、6営業日前近辺から加速度的にリターンを積み上げていることがわかる。

 冷静に考えてみれば、決算発表前に事前に過剰に株価が上昇したからこそのネガティブ・サプライズなので、これ自体は当たり前の動きではあるが、数字としてははっきりと明暗が分かれてきている印象だ。

 そして、この結果から言えることは、事後の検証の際と同様に「決算発表直前の5~6営業あたりから強い上昇を見せる銘柄について、決算を跨いで保有するのはリスクが高い」ということだ。自身の保有銘柄のうちで、決算前に急に上昇し始めるものがあったら、大いに警戒するに越したことはないだろう。

景気敏感業種の「銘柄実名」

 さて、この事後と事前のアノマリーの検証で、決算前に注意すべき点は理解できた。そのうえで、冒頭の安川電機を思い出してみてほしい。

 安川電機自体は、設備投資関連の製造業という景気敏感業種の典型的な銘柄だ。そして、前掲の決算発表前後の株価のチャートを見ても分かるように、決算発表後に急落する直前から急に株価が上昇を見せていたことが分かる。まさに、この法則にばっちりと当てはまっていたと言えるだろう。事前、事後の決算アノマリー分析、「根拠なし」と甘く見ない方がいいかもしれない。

 最後に、一応参考までに景気敏感業種における決算発表前(来週以降5月末までの発表予定企業が対象)かつ過去1週間に対TOPIXで上昇している銘柄の一覧を添付しておく。ただし、掲載時から実際の決算まではラグがあるうえ、シーズンの本格化は4月末から5月初であるため、最終的には発表の直前に自身の目で数日間の株価の変動をしっかりと確認することをお勧めする。

大川 智宏(智剣・OskarグループCEO兼主席ストラテジスト)