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塩野義♡応援の為の資料部屋の掲示板

ゾコーバ薬価 通常承認に伴い改めて検討へ

( 10カ月あまりで100万人に使用、患者負担後は大幅減)

2024/3/13 m3.com編集部

 厚生労働省は3月13日の中医協総会(会長:小塩隆士・一橋大学経済研究所教授)で、新型コロナウイルス感染症の経口治療薬ゾコーバ錠(エンシトレルビル フマル酸)の通常承認に当たって薬価を改めて検討する方針を示した。新薬の薬価収載と同じように使用実態や企業側の意見も踏まえ検討する。ゾコーバは2023年3月末の一般流通開始後の10カ月あまりで約100万人に使用されていると推定されるが、10月に一部患者負担が生じてからは大幅に減少している。患者負担の生じた時期のデータから推定すると、年間54万人・280億円程度の市場規模となる(資料は、厚労省のホームページ)。

 ゾコーバは2022年11月に緊急承認され、2023年3月に1錠7407.4円、1治療(5日間で7錠)5万1851.8円で薬価収載された。その際、通常の承認申請があった場合は、審査結果を踏まえて薬価を検討することとしていた。2024年3月5日、通常承認されたため、改めて薬価が議題となった。

 薬価収載時にはピーク時に年間37万人に使用され、192億円の市場規模が予測されていた。企業が公表しているデータから推定すると、2023年3月31日の一般流通開始から、2024年2月11日までに約100万人に使用された。ただ、患者負担が生じた10月以降は使用が大幅に減り、冬季の感染拡大があったにもかかわらず、2023年10月16日~2024年2月11日の使用は約18万人にとどまった。2024年4月以降は患者負担の上限もなくなり、1~3割の通常の負担となる。

 厚労省は10月以降のデータから単純に換算すると、年間で54万人に使用され、280億円程度の市場規模になると推定。当初の予測と大きな差はなく、再算定の要件には該当せず、急激に使用が増えた際のゾコーバに限った特例にも該当しないとした。

 今後、薬価算定組織で検討した上で、中医協総会で再算定の特例のあり方も含めて議論する。