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outlookの掲示板

2022-01-29 04:20
見通し
週間為替展望(ポンド/加ドル)-BOE、追加利上げが確実視

◆来週のBOE会合、追加利上げが確実視
◆ポンド、追加利上げ決定でも上値余地は限定か
◆加ドルは下げ渋るか。原油高とBOCの早期利上げ期待が支え

予想レンジ
ポンド円 151.50-156.50円
加ドル円 88.50-92.50円

1月31日週の展望
 ポンドは来週のイングランド銀行(BOE)政策会合に注目する動きとなる。市場では0.25%の追加利上げが確実視されている。ただ、BOEは昨年の11月には市場の利上げ予想に反して据え置き、12月は据え置き予想に対し利上げを決定するなど、これまで、主要国中銀のなかでも政策決定に際しサプライズが多いことも考慮する必要があり、予断を許さない。

 英政府はオミクロン株感染のピークが過ぎたと判断し、法的な行動規制をほぼ撤廃した。英12月雇用者数は過去最大の伸びを記録し、求人数も過去最多になるなど雇用の活況が続いている。また、12月消費者物価指数(CPI)は前年比+5.4%と30年ぶりの大幅上昇となり、インフレ見通しはさらに悪化している。多くの金融政策委員会(MPC)メンバーが物価高止まりの長期化に懸念を強めており、コロナ警戒感が後退しているなか、来週の会合ではさすがにサプライズなしで追加利上げが決定されると見込まれる。マンMPC委員は今週、インフレは「高止まりが長期化する恐れがある」と述べ、追加利上げの支持を示唆した。

 ただ、追加利上げに踏み切っても利上げはほぼ織り込み済みで、ポンドが大幅に買われる可能性は低いか。また、今年もブレグジットの直撃を受けた国内経済で発生したサプライチェーン危機が続く可能性が高く、ジョンソン政権をめぐる政治不安への懸念も台頭し、積極的にポンドを買い進める地合いにはなりにくい。

 加ドルは下げ渋るか。ウクライナ情勢をめぐる不透明感は来週も続くと想定され、投資家のリスクオフ志向の根強さが上値を圧迫しそうだが、原油相場の堅調な動きやカナダ中銀(BOC)の早期利上げ期待を支えに加ドルの底堅い動きが見込まれる。BOCは今週の会合で政策金利を過去最低の0.25%に据え置くことを決定した。一部では利上げ予想も出ていたが、コロナ感染再拡大という不確実要因もあることを理由に利上げを早める決定には至らなかった。ただ、30年ぶりの高水準であるインフレを抑制するため、近い将来に金融政策を引き締める可能性を示唆した。声明では、「貸出金利の引き上げは行わない」との文言を今回から削除し、「経済のスラックが完全に吸収された」との認識を示した。マックレムBOC総裁は会見で「利上げの軌道に乗っているとのメッセージはかなり明白だ」と述べている。今回の結果を受けて、短期金融市場では3月会合で0.50%への利上げが織り込まれたほか、年内に少なくとも5回の利上げが実施される確率が9割に達した。来週は加国内で11月GDPや1月雇用統計の発表が予定されている。

1月24日週の回顧
 ウクライナ情勢への警戒感でリスクオフムードが強く、ポンド円は一時153円割れまで下押した。米金融政策イベント後に全般ドル高が進んだこともあり、ポンドドルは1.33ドル台半ばまで売りに押された。また、今週のBOC会合で一部では利上げ予想もあったことから、金利据え置き公表後には失望の加ドル売りも見られ、加ドル円は91円近辺を頭に伸び悩み、ドル/加ドルは1.27加ドル台半ばまで加ドル安となった。