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ストラジスト の 株価予測の掲示板

日本のIT株に再評価機運、荒れる円に耐性-デジタル投資も追い風
佐野日出之、横山桃花
2024年5月2日

円相場の乱高下が日本株のかく乱要因となる中、為替リスクに耐性があるとしてIT(情報技術)関連株を再評価する機運が広がっている。事業が国内中心のため、為替変動の影響を受けにくいほか、デジタル投資の拡大で需要見通しも明るいとの見立てからだ。

  長期にわたる経済成長の低迷で、日本の企業や自治体がIT投資に消極的な時代が続いた。大和総研経済調査部の末吉孝行シニアエコノミストによると、日本のソフトウエア支出は特に非製造業で停滞が目立ち、2020年までの20年間で1.5倍にしか伸びなかった。同期間に米国で4倍以上、フランスで3倍程度増えたのとは対照的だ。


 シュローダー・インベストメント・マネジメントの日本株式運用総責任者、豊田一弘氏は「システムインテグレーターは収入のほとんどを日本で得ている」と指摘した上で、「円高になれば、堅調な収益を背景に魅力的な銘柄になる可能性が高い」との見方を示す。
ITベンダーのSCSK大塚商会などは国内売り上げ比率がほぼ100%。大手の富士通NECでも国内比率は高めで、TOPIX100の同比率50%を大きく上回る。

  三菱UFJモルガン・スタンレー証券、日本のIT関連株が為替の変動から逃れるための有力な投資先とみる一人だ。IT関連の多くはグロース(成長)株のため、金利上昇によるマイナスの影響を受けている面はあるが、関連企業の多くは「国内で開発・販売しているビジネスが多く、為替の影響は相対的に他のセクターに比べて小さい」と言う。

一方、ITベンダーは、株価収益率(PER)が過去10年間の上限近くで取引される銘柄も多く、株価は既に割高と判断することも可能だ。。

円は購買力平価に基づく水準より30%以上安く取引されており、中長期的には
ステート・ストリート・グローバル・アドバイザーズの日本担当チーフ・インベストメント・オフィサー(CIO)、新原謙介氏は、現在のドル円相場は、金利差に注目した取引からドルが割高になり、その対極に円がある、とした上で、「2年後まで見通すと、ドル安になっている可能性は高い」との展望を示した。