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私と経済の掲示板

>>11720

■「一帯一路」沿線国にも広がる

もうひとつ顕著なのは、インフラ事業や資源開発で中国が影響力を強める国々だ。南アフリカやケニアなどアフリカ諸国からは北米よりも多い31行が接続する。中国が提唱する広域経済圏構想「一帯一路」に参画する国が増えるほど、人民元決済の需要は高まる。

もっとも人民元の基軸通貨への道のりは遠い。SWIFTの資金決済額に占める人民元のシェアは19年3月時点で1.89%と、ドル、ユーロ、英ポンド、円に次ぐ5位。1日に3千万件以上の電文をやり取りするSWIFTに比べ、CIPSの規模はなお小さい。

とはいえ、米国と対立する国々のドル離れは進んでいる。中国上海市場では18年3月に人民元建て原油先物取引が始まり、ニューヨークやロンドンから一部の取引を奪い始めている。

今後も経済制裁の影響を避けたり、米国に国際取引を把握されないようにするため、ドル以外の通貨で決済する手段を確保する動きは広がりそうだ。CIPSのネットワークは確実に広がっており、その潜在力はあなどれない。米国が威圧的な外交姿勢を強めれば、自らドルの基軸通貨としての絶対的地位を危うくする可能性がある。