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30日のニューヨーク外国為替市場でドル円は、前週分の米新規失業保険申請件数が19.8万件だったことで115.20円付近まで強含んだものの、日本時間夕刻に付けた高値115.21円を上抜けることは出来ず、引けにかけては115.04円付近まで下押しした。ユーロドルは前週分の米新規失業保険申請件数を受けて1.1299ドルまで軟調に推移した。
本日のアジア外国為替市場のドル円は、東京市場が休場で閑散取引となることで動意に乏しい展開が予想される。
10時に発表される12月中国製造業購買担当者景気指数(PMI)は50.0と予想されており、11月の50.1からの若干の低下が見込まれている。中国は、石炭・石油などのエネルギー価格の高騰や不動産市場の低迷により景気減速への警戒感が高まっており、中国人民銀行は政策金利の引き下げに動いている。PMIが50を割り込むようなネガティブサプライズだった場合、年末の薄商いの中でリスク回避の円買い要因となることで、要警戒か。
ドル円の注文状況は、上値には、115.30-50円に断続的にドル売りオーダーが控えている。下値には、114.50円、114.30円、114.00-10円にドル買いオーダーが控えている。
2021年のドル円相場は、2016年からの5年連続年足陰線の後、陽線で引けることになる。2016年からのドル円の3年連続の下落は、2015年12月の米連邦準備理事会(FRB)の利上げ開始(0.25-0.50%)時の122円付近から2018年12月の利上げ終了(2.25-2.50%)時の112円付近までの下落で始まったものの、2015年にはチャイナショック、2016年にはブレグジット、そしてトランプ第45代米大統領による米中貿易戦争が背景にあった。
2015年6月5日、ドル円は125.86円まで上昇した。当時の実質実効為替相場(REER)は67.63だった。黒田日銀総裁は、6月10日、衆議院財務金融委員会で、為替動向に関連して「実質実効為替レートでは、かなり円安の水準になっている。実質実効為替レートがここまで来ているということは、ここからさらに実質実効為替レートが円安に振れるということは、普通に考えればありそうにない」と語り、「黒田シーリング」を設定した。
黒田日銀総裁の円安牽制発言から半年後、米連邦準備理事会(FRB)は利上げを開始した。2021年11月24日、ドル円は115.52円まで上昇した。実質実効為替相場(REER)は67.79だった。黒田日銀総裁は、10月28日、金融政策決定会合後の記者会見で、現在の為替相場を「若干の円安」と表現し、総合的に見て現在の水準は日本経済にとってプラスになっているとの認識を示した。円の実質実効レートは、2015年6月に自身がけん制したときと同水準になっているが「具体的なノルム(基準)があるわけではない」とし、実質実効レートと名目レートはかなりかけ離れたものだと語った。
パウエルFRB議長は2022年春までにテーパリング(資産購入の段階的縮小)を終了し、3回の利上げを示唆している。2021年のドル円は5年連続年足陰線から脱却して陽線を記録するが、2022年はFRBの利上げを背景に2手連続陽線を記録するのだろうか。
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