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4563-アンジェス記事ストック
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厚労省の「医系技官」はなぜワクチンの早期承認を嫌うのか 接種も遅れ、世界では異例の医療従事者優先 その②
4/24(土) 16:56配信

海外では、クラスター発生が懸念される高齢者施設入居者や従業者が最優先だ。ドイツでは、80歳以上の高齢者と高齢者施設の職員、コロナ患者に接する狭い範囲の医療従事者らが1位で、80歳以上の人の家族や70歳以上が続き、一般の医師はスーパーの店員や教師と一緒である。死者を減らすなら、高齢者とその感染の最大の原因となる家族、介護関係者を優先させるドイツのやり方が合理的だ。

 この順序については、第43回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会予防接種基本方針部会(12月25日)で決まったという報道もあったが、この席で厚労省の林修一郎予防接種室長が「新型インフルエンザ等対策有識者会議新型コロナウイルス感染症対策分科会(コロナ分科会)」での議論を受けて進めているとしており、主導権はそちらにあったようだ。

 コロナ分科会の会長は元医系技官の尾身茂氏だし、これら担当部局の責任者たちも医系技官のエースたちだ。

 医系技官のトップは事務次官クラスの医務技監だが、前任者は安倍晋三首相(当時)の強い要請にもかかわらず、治療薬候補「アビガン」の承認に消極的だったとされる。官邸時代に何かと話題の多かった女性審議官や、23人の宴会で更迭された課長も医系技官だ。

 「役所で出世できなくとも、医者に戻ればいい」という気楽さが、緊張感の欠如と、政権の意向も意に介さない唯我独尊の理由というのは邪推だろうか。

 ■八幡和郎(やわた・かずお) 1951年、滋賀県生まれ。東大法学部卒業後、通産省入省。フランス国立行政学院(ENA)留学。大臣官房情報管理課長、国土庁長官官房参事官などを歴任し、退官。作家、評論家として新聞やテレビで活躍。徳島文理大学教授。著書に『歴史の定説100の嘘と誤解 世界と日本の常識に挑む』(扶桑社新書)、『日本人のための日中韓興亡史』(さくら舎)、『日本人がコロナ戦争の勝者となる条件』(ワニブックス)など多数。