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FX 猫板  猫好き集まれ~(*^^*)の掲示板

我が輩は猫である 6
ここへ入ったらどうにかなると思って、竹垣の崩れた穴からとある邸内にもぐりこんだ、縁は不思議なもので、もしこの竹垣がやぶれていなかったら、吾輩はついに路傍に餓死したかもしれんのである、一樹の陰とはよく言ったものだ、この竹垣の穴は今日に至るまで吾輩が隣家の三毛猫を訪問するときの通路になっている、その屋敷に忍び込んだもののこれから先どうしていいかわからない、そのうちに暗くなる、腹は減る寒さは寒し、雨が降ってくるという始末で一刻も猶予はできなくなった、仕方がないからとにかく明るくて暖かそうなほうへ歩いていく、今から考えるとその時はすでに家の中へ入っておったのだ、ここで我が輩はかの書生以外の人間を再び見る機会に遭遇したのである、