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米投資会社関連、1兆円超の損失 6金融機関、規制強化論も

 【ニューヨーク時事】米投資会社アルケゴス・キャピタル・マネジメントとの取引に関連した損失は、野村ホールディングス(HD)など国内外6金融機関で計1兆1000億円に達する見通しとなった。

 各社は「特殊なケース」(野村HD幹部)と強調しつつも、リスク管理を強化する姿勢を打ち出した。米国では、同様の投資会社に対する規制強化を求める声も出ている。

 アルケゴスは、著名投資家が設立した個人資産の管理・運用会社。ファミリーオフィスと呼ばれ、「富の保全と次世代への承継」(英会計事務所大手)を目的とするため、これまでは保守的な運用が多いとされてきた。

 ただ米メディアによると、近年、ヘッジファンド出身者らがファミリーオフィスに転じ、高リスクの取引手法を持ち込むケースが増えている。情報開示などの規制が緩いため、「抜け穴」的な業態として意識されている面もありそうだ。

 アルケゴスは、そうしたファミリーオフィスの一つ。複数の金融機関から多額の資金を借り入れることで、運用資産を6倍以上に膨らませ、金融派生商品(デリバティブ)も活用して高リスクな取引を手掛けていた。保有する一部銘柄の株価急落をきっかけに運用成績が悪化し、金融機関の巨額損失につながった。

 関連損失は、野村HDが3100億円、スイスのクレディ・スイスが5900億円、米モルガン・スタンレーも1000億円に上る。

 米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長は今月、米テレビに出演し「複数の大手金融機関が、1顧客によってこれほど大きな損失を受けたことは驚くべきことだ」と指摘し、実態を詳細に調べる方針を示した。米議会からは、民主党左派を中心に「透明性の確保と厳しい監視が必要だ」との意見もある。