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為替介入、攻防第2幕 「政府の残弾は8発」懐見透かす市場

1日の外国為替市場では、市場と政府の攻防戦「第2幕」が始まっている。前日の市場推計で政府が29日に、過去最大級となる5兆円規模の為替介入を実施した可能性が高まった。投機筋はなお含み益を抱えているとみられ、円売りを止める気配はない。市場参加者の関心は財務省の介入余力だ。「残りの実弾は8発」との見方が浮上するなか、政府も市場の疑心暗鬼を誘う戦略で対抗する。

1日の外国為替市場で円相場は下落し、一時1ドル=157円台後半を付けた。4月29日の高値である154円40銭から既に3円超も円安が進んでいる。政府・日銀が5兆円規模の介入に動いたとの見方が広がった後も、政府の介入姿勢を試すように円売りの動きはやんでいない。

5兆円という規模は、22年10月21日に実施した円買い介入として過去最大の5.6兆円と同程度となる。それでも高値は154円40銭、足元は157円台で、日銀の金融政策決定会合の結果公表前に円売り・ドル買いに動いた市場参加者は基本的に含み益を抱え続けている状況と言える。円売りから撤退を余儀なくされるような水準まで円相場を押し上げられず、依然として円が売りやすい状況が続いている。

  • >>414

    元日銀で介入の実務経験もあるふくおかフィナンシャルグループの佐々木融チーフ・ストラテジストは「5兆円という規模でも円高進行は限定的で、介入は効かないとの認識から円売りが強まる不安を感じさせる内容だった」と指摘する。

    前回と共通するのが、実動部隊の日銀に介入を指示する財務省の態度だ。神田真人財務官は介入実施の有無について明言を避け続けている。市場を疑心暗鬼に陥らせる作戦といえる。介入を明言しなければ、大規模な円買い注文が入った際に介入と誤認して円の買い戻しを誘える。そんな思惑が透ける。

  • >>414

    市場参加者は政府・財務省の「懐具合」も注視する。

    市場から円を調達して介入原資にする「円売り介入」とは異なり、円を買うためには元手となるドルが必要になる。元手となる政府保有の「外貨準備」は3月末時点で1兆2900億ドル(約200兆円)に達する。ただこのすべてがすぐに介入原資として使えるわけではない。この中で介入に実際に使える規模はいくらかを巡り、市場参加者の議論が活発化している。

    3月末時点で政府は1550億ドルの外貨預金を保有する。SMBC日興証券の末沢豪謙金融財政アナリストは「売却可能な証券は2000億ドル程度で、預金と合わせても3000億ドル程度が短期的な上限」と指摘する。米バンク・オブ・アメリカも同様に「24年の上限を3000億ドル(約47兆円)前後とみている」とする。

    より少なく「30兆円弱の余力があるイメージ」(大和証券の多田出健太チーフ為替ストラテジスト)との見方もある。いずれにせよ外貨準備のすべてを今後の介入で使えるわけではなく、今回と同程度の規模の介入による「残弾」は最大で8発程度との見方が多い。

  • >>414

    残弾が限られるなか、政府・日銀は効果を最大限にする時間帯を狙っているフシがある。4月29日の「介入」で円が最も上昇したのは、午後1時や午後4時など欧州勢が参加するギリギリの取引が薄い時間帯だった。そもそも4月29日は日本の祝日で、市場参加者が少なく取引が普段より細っているタイミングだ。

    振り返れば22年9〜10月の介入も、円が急騰したタイミングはそれぞれ午後5時、午後11時、午前8時で、東京市場の主要な取引時間帯は避けられている。国内勢では輸入企業や機関投資家などドルの実需が根強いため、介入に動いても円を押し上げる効果は限られかねない。

    流動性が落ちるタイミングは円安方向にも値幅が出やすく、急変動を理由にした介入に動きやすい面もある。追加介入に動くのであれば、大型連休後半で海外市場の取引がある3日や6日が焦点となりそうだ。特に3日は4月の米雇用統計など重要な経済指標の公表もある。

    20カ国・地域(G20)や主要7カ国(G7)の国際協調の枠組みでは、為替介入はあくまで為替を特定水準で維持する意味合いではなく、相場変動をならす目的の「スムージング介入」に限定される。次以降も相場を押し上げようという介入よりは、円安の進行を食い止める介入となる可能性が高い。

    「円相場を押し上げる効果は弱まっており、次回はさらに大規模な為替介入が必要になる可能性もある」。みずほ証券の山本雅文チーフ為替ストラテジストは指摘する。残弾の減少が市場に見透かされると投機の円売りが強まるリスクもはらむ。1年半ぶりに政府が「介入」に動いたことで、市場との心理戦は次の段階に移りつつある。