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中山は2022年のワールドカップ・カタール大会出場を直前の負傷で逃した。ヨーロッパでの6シーズンを過ごし、2024年夏に帰国したが、町田加入直後も9月に右膝を負傷している。だからこそ今季の開幕前には「ケガなく出続けること」をテーマに掲げていた。38試合中32試合に出場していて、そこは彼の言葉を借りれば「まずまず」の成果だろう。
彼にケガの防止について振ると、このような答えが返ってきた。
「意識は当然ながらまだ上げないといけません。意識が変われば行動が変わります。それでもケガは絶対あるので、『ケガする確率を減らしていく』ことが大事ですが、まずはその意識だと思います」
もちろん日常生活、栄養管理、ケアと休養は大切だ。中山はアメリカンフットボールのレジェンド・河口正史氏が主催する「クアトロコアメソッド」の施設に通い、身体の姿勢や操作の改善にも取り組んでいる。ただ、彼はこう強調する。
「トレーニングも、したいかどうかの意識次第です。それが受動的になるのか、能動的でやれるのかーー。そこはもう個人のプロフェッショナリズムだと思います」
●「上に行きたいなら…」本当に強いチームになるために、不足しているもの
今季の町田は天皇杯を制し、リーグ戦も悪くない結果を出した。ファウルの数、カードの枚数も減り、昨季のような「ヒール扱い」はされなくなっている。ただ本当に強いチームになる、プロフェッショナルの文化が根付いた状態となるためには、まだ不足しているものがある。
中山はそれを知っているからこそ「意識」を強調するのだろう。
「それが合っているかどうか分からないですけど、上に行きたいなら、色々なことを取り込んでやっていくことが必要かなと僕は思います。町田はJ2で優勝して、昨季はJ1で3位を取れて、今シーズンはタイトルも獲れて、少し順風満帆なところがありました。だけど『もっと成り上がりたい』という思いがあれば、それは必然的に起こってくる行動になると思います」
今季の開幕前、「日本に戻ってきてどうですか?」と軽く聞いた筆者に、彼が「良くも悪くも(環境が)良すぎて、サッカーをするには最適ではない」とこぼしていたことを思い出す。快適な環境はともすると刺激が乏しく、人から危機意識を奪う。
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