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ソフトバンクグループ(株)【9984】の掲示板 2019/02/28〜2019/03/01

ソフトバンクが巨額出資、物流テックの「フレックスポート(Flexport)」が注目されるワケ
グーグルらがすでに3億ドルを出資、ソフトバンクも
 2013年に設立されたフレックスポートは既に数十か国での輸送を行っている。2017年時点で、月間7000個相当のコンテナを配送した。航空便やトラックでの配送を含め、年間では2億2,470万ドルの売り上げを得た。投資家からの期待も高く、GV(旧グーグルベンチャーズ)やFounders Fundから3億ドルの資金を調達し、積極的に事業拡大を行ってきた。規模の経済が働きやすい物流業では、輸送量が増えるほど、効率性が上がるため、将来的な増益が見込まれている。

 さらに、2019年1月には、ソフトバンク・ビジョン・ファンドが5億ドルの投資を行うのではないか、との報道がなされた。2月にはソフトバンク・ビジョン・ファンドを中心とする投資家から10億ドルを調達した、とForbesが報道。その評価額は32億ドルと見られている。

 ソフトバンクの投資方針は「群戦略」と呼ばれ、各業界を革新するリーダー企業と資本関係を結ぶ手法が知られている。AI、IoT、シェアリングエコノミー、医療、建設、不動産、Eコマースといったさまざまな業界で、デジタル化を推進し、新たな顧客体験を作り出す企業に巨額の投資を行い、急激な成長と世界的な事業展開を推進してきた。

 フレックスポートのプラットフォーム戦略は、ソフトバンクの群戦略に合致するのかもしれない。

国際貿易を制する者は、世界を制す
 フレックスポートのCEOであるRyan Petersenは、同社のビジネスモデルを「国際貿易のオペレーティングシステム」と表した。

 船や飛行機といったキャリアが、コンピューターにおける半導体やメモリといった部品であるとすれば、それら部品の挙動を統合し、背後で動く部品を意識しなくても、ユーザーが利用しやすい形にまとめあげるフレックスポートはオペレーティングシステムの役割を果たす。国際貿易においては、フレックスポートのWeb画面さえ見ておけば、荷主はキャリアや税関について頭を悩ませる必要がなくなる。数兆円に達する国際貿易の市場を抑えれば、フレックスポートの影響力は計り知れない。

 ある大手フレイト・フォワーダーの経営者は、フレックスポートの顧客体験については優位性を認めながらも、配送品質については及ばないと語っている。しかし、昨今のデジタル化の波は顧客第一主義がすべてといっていい程、重要な優位性をもたらしている。たとえば、UberやAirbnbは料金の透明性やアクセスの良さでタクシーやホテルの脅威となった。技術そのものが差別化につながるのではなく、顧客中心でない企業が淘汰されているだけだ。数十年の実績があるフレイト・フォワーダーであっても、また未熟なフレックスポートを過小評価していると、気づいた頃には、多くのシェアを奪われていることになるかもしれない。