ここから本文です
Yahoo!ファイナンス
投稿一覧に戻る

ソフトバンクグループ(株)【9984】の掲示板 2018/08/05〜2018/08/06

>>311


ソフトバンク、目利きへの評価は高まるか
2018/08/06 05:30 日経速報

 ソフトバンクグループが6日の午後3時、2018年4~6月期連結決算を発表する。午後4時にスタートする説明会には孫正義会長兼社長も出席する予定だ。10兆円ファンドを軸にした投資先が貢献し、営業利益は過去最高だった前年同期の4792億円を上回るとの期待は高い。米携帯再編や国内通信子会社の上場後は通信が中核事業から外れ、投資会社としての性格が一段と強まる。同社の目利き力に対する市場の信頼アップにつながれば、決算をきっかけに株価が動意付く可能性も高そうだ。
 「ソフトバンクはAI(人工知能)にまっしぐらに突き進む。最先端のAIの群れを作りたい」。孫正義会長兼社長は7月中旬、都内で開いた法人顧客向けイベントで強調した。
 その言葉通り、ソフトバンクはAI関連企業への投資を加速している。たとえば、AIの処理に特化した半導体などを手掛ける米エヌビディアは、株式を4.4%保有(QUICK・ファクトセット調べ。主なグループ会社での保有分、出資比率は以下同)する。株価はここ1年で5割上昇した。10兆円ファンド事業は18年3月期に3029億円の事業利益を稼いだが、大半はエヌビディア株の上昇によるものだ。同社株の値上がりで、4~6月期も利益の上積みが期待できる。
 上場企業では今年5月、中国平安保険から分離、上場した平安健康医療科技も投資先で、6.3%を持っている。スマートフォンのアプリでユーザーが健康相談や、医療機関の予約ができるサービス「平安グッドドクター」を提供する。「AIを活用して医師が効率的に診察できる」(オリバー・ワン最高経営責任者)といい、診察件数を大きく伸ばしている。
 「第2、第3のアリババ」探しにも余念がない。ソフトバンクは2000年に中国・アリババ集団に約20億円で投資。保有分の時価は18年3月末で約14兆円とおよそ7000倍になった。年内に通信子会社の上場が実現すれば、ソフトバンクは2兆円規模のまとまった資金を手にする見通し。第2の10兆円ファンド立ち上げも検討しており、これを原資に投資を加速する考えだ。
 孫氏は2016年に3.3兆円で買収した英半導体設計アーム・ホールディングスについて、5~7年後に再上場させる方針を明らかにしている。ライドシェア大手、中国・滴滴出行の上場観測もある。投資先が上場するタイミングで保有分の一部を売り、次の投資に振り向ける資金の循環を作ろうとしているようだ。
 「投資会社・ソフトバンク」の株価は今後どう動くのか。現状では、上昇を見込む市場関係者が目立つ。7月にソフトバンク株への10億ドルの投資が明らかになった米投資ファンドのタイガーグローバルは、ソフトバンクが持つ株式の時価総額から負債を引いた純資産の価値がソフトバンクの時価総額の2倍強あると分析。「極めて割安で、今後株価は上昇を続ける」とみている。国内の担当アナリストも、足元の株価より2~3割高い水準の1万1000~1万2000円台を目標株価とする例が多い。
 だが、足元の株価は7月17日に9909円の年初来高値を付けたあと、頭打ちになった。投資会社化の加速は、株価や金利で収益が大きく変動する可能性が高まることを意味する。リスクが大きくなることを警戒する投資家も少なくない。
 アリババに次いで保有時価が大きい米スプリントの株価はここ1年で約4割安くなり、ヤフーも同2割近く下げた。どちらも投資先ではなく子会社のため、直接的に株価下落が損益に影響を与えることはない。だが、保有株の価値の下落は、今後の財務戦略に悪影響を及ぼす可能性がある。それ以上に、投資先を選び抜くソフトバンクの目利き力に対する疑念につながれば、株価にはダメージだ。攻めだけでなく、リスク管理などの守りをどう固めるのかも今後の焦点になる。
(証券部 須永太一朗)
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO33786640T00C18A8000000/