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ソフトバンクグループ(株)【9984】の掲示板 2015/06/20〜2015/06/22

インドでネット通販革命 消費けん引、市場7倍に
日本経済新聞
2015/6/23 2:00

 零細商店が小売市場の中心を占めてきたインドで、インターネット通販市場が急成長を遂げている。圧倒的な品ぞろえと安さで、スナップディールなど現地各社が消費を刺激。宅配サービスを売り物とする米アマゾン・ドット・コムの進出もあって即日配送などでサービスを競い合う。「流通途上国」で進むネット通販革命が、既存の流通構造に風穴を開けている。

 うだるように暑い首都ニューデリー。公務員、リリー・ビシュットさん(40)が自宅の玄関先で商品の包みを開けていた。中身は伝統衣装のサリーだ。「間違いないわ」。色やサイズなどを確認すると、配達業者に現金で支払いを済ませた。

 利用したのは2010年創業の現地大手スナップディールの通販サイトだ。昨年、ソフトバンクが6億2700万ドル(当時の換算レートで約680億円)出資して脚光を浴びた同社のサイトは各企業が商品を出品するモール方式で品ぞろえは1500万点超を誇る。

 家族経営の日用品店「キラナ」などの中小・零細商店が小売市場の9割以上を占めるインド。庶民の買い物と言えば、間口2メートルほどの零細商店に足を運ぶのが常だった。そんな消費スタイルが大きく変わってきた。

 きっかけは低価格スマートフォン(スマホ)の普及だ。中国製スマホの流入で、今では3千ルピー(約6千円)と平均月収の3分の1ほどで手に入る。零細商店で限られた品ぞろえの中から商品を選んでいた消費者はスマホを介してネット通販サイトにアクセスすることで一気に選択肢が広がった。ビシュットさんも「ネット上には最新のサリーが豊富にある」と話す。

 もっとも、番地が未整備で商品を送り届けることすらたやすくないお国柄。資金力のあるアマゾンが13年にインドに進出し宅配サービスを売り物にし始めたこともあって現地ネット通販各社は商品を確実に早く手元に届けようと競う。

 スナップディールのクナル・バール最高経営責任者(CEO)は「150人の技術者が物流システムの構築にあたり、インド全土で50の物流倉庫を効率的に運営している」と明かす。

 同社の物流システムではサイトで注文を受けると、消費者が指定した配達先の郵便番号から最短で商品を送り届けられる倉庫を選び出す。倉庫内では集荷担当者がシステムが指示した注文票に基づいて、商品を棚から選んで梱包する。注文から配送準備が整うまで最短60分。地域に密着した宅配業者とも連携し、デリーなど25都市で即日配送を実現する。

 スナップディールと並ぶ現地大手のフリップカートも即日配送を売り物にする。2千万点超の品ぞろえで利用者は2600万人を超える。

 ムンバイを拠点にするネット通販サイト「ローカルバニヤ」は「台所にあるものすべて」(ラシ・チョウダリィ共同創業者)で競合他社と差異化。食品のほか洗剤や調理器具など計1万4千点を扱う。同社では30ルピー(約60円)払えば、渋滞の激しいムンバイでも即日宅配するサービスを提供。午前7時から午後11時半まで2時間半刻みで配送時間を指定できるきめ細かさだ。

 ユーロモニターの調べではインドのネット通販市場は14年で69億ドル(約8500億円)。前年から84%増えた。09年と比べると実に7倍超だ。19年には257億ドルに拡大する見通しだ。

 外資誘致を呼びかけるモディ政権だが、中小・零細商店の保護のため、スーパーマーケットなど総合小売店の外資参入は認めない方針。消費者にとって利便性が高く、規制の壁も緩いネット通販がインド小売市場のけん引役として存在感を高めそうだ。

ソフトバンクグループ(株)【9984】 インドでネット通販革命 消費けん引、市場7倍に 日本経済新聞 2015/6/23 2:00   零細商店が小売市場の中心を占めてきたインドで、インターネット通販市場が急成長を遂げている。圧倒的な品ぞろえと安さで、スナップディールなど現地各社が消費を刺激。宅配サービスを売り物とする米アマゾン・ドット・コムの進出もあって即日配送などでサービスを競い合う。「流通途上国」で進むネット通販革命が、既存の流通構造に風穴を開けている。   うだるように暑い首都ニューデリー。公務員、リリー・ビシュットさん(40)が自宅の玄関先で商品の包みを開けていた。中身は伝統衣装のサリーだ。「間違いないわ」。色やサイズなどを確認すると、配達業者に現金で支払いを済ませた。   利用したのは2010年創業の現地大手スナップディールの通販サイトだ。昨年、ソフトバンクが6億2700万ドル(当時の換算レートで約680億円)出資して脚光を浴びた同社のサイトは各企業が商品を出品するモール方式で品ぞろえは1500万点超を誇る。   家族経営の日用品店「キラナ」などの中小・零細商店が小売市場の9割以上を占めるインド。庶民の買い物と言えば、間口2メートルほどの零細商店に足を運ぶのが常だった。そんな消費スタイルが大きく変わってきた。   きっかけは低価格スマートフォン(スマホ)の普及だ。中国製スマホの流入で、今では3千ルピー(約6千円)と平均月収の3分の1ほどで手に入る。零細商店で限られた品ぞろえの中から商品を選んでいた消費者はスマホを介してネット通販サイトにアクセスすることで一気に選択肢が広がった。ビシュットさんも「ネット上には最新のサリーが豊富にある」と話す。   もっとも、番地が未整備で商品を送り届けることすらたやすくないお国柄。資金力のあるアマゾンが13年にインドに進出し宅配サービスを売り物にし始めたこともあって現地ネット通販各社は商品を確実に早く手元に届けようと競う。   スナップディールのクナル・バール最高経営責任者(CEO)は「150人の技術者が物流システムの構築にあたり、インド全土で50の物流倉庫を効率的に運営している」と明かす。   同社の物流システムではサイトで注文を受けると、消費者が指定した配達先の郵便番号から最短で商品を送り届けられる倉庫を選び出す。倉庫内では集荷担当者がシステムが指示した注文票に基づいて、商品を棚から選んで梱包する。注文から配送準備が整うまで最短60分。地域に密着した宅配業者とも連携し、デリーなど25都市で即日配送を実現する。   スナップディールと並ぶ現地大手のフリップカートも即日配送を売り物にする。2千万点超の品ぞろえで利用者は2600万人を超える。   ムンバイを拠点にするネット通販サイト「ローカルバニヤ」は「台所にあるものすべて」(ラシ・チョウダリィ共同創業者)で競合他社と差異化。食品のほか洗剤や調理器具など計1万4千点を扱う。同社では30ルピー(約60円)払えば、渋滞の激しいムンバイでも即日宅配するサービスを提供。午前7時から午後11時半まで2時間半刻みで配送時間を指定できるきめ細かさだ。   ユーロモニターの調べではインドのネット通販市場は14年で69億ドル(約8500億円)。前年から84%増えた。09年と比べると実に7倍超だ。19年には257億ドルに拡大する見通しだ。   外資誘致を呼びかけるモディ政権だが、中小・零細商店の保護のため、スーパーマーケットなど総合小売店の外資参入は認めない方針。消費者にとって利便性が高く、規制の壁も緩いネット通販がインド小売市場のけん引役として存在感を高めそうだ。