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東京電力ホールディングス(株)【9501】の掲示板 2023/08/03〜2023/08/04

1. はじめに

(1) 温暖化防止に対して原発が有効とされていることについて
 近年の地球温暖化に対する世界的な危機感によって、温暖化を促進する温室効果ガス(二酸化炭素)の排出量が少ないという原子力発電の「利点」に注目が集まっています。
 2007年頃から急激な上昇を見せた原油価格の高騰も、原子力発電推進の材料となっています。2008年7月の洞爺湖サミットでは、原油価格高騰対策として原子力発電を世界的に推進し、中国やインドにも原子力発電の利用を積極的に働きかけるということで、合意をみています。また、2050年に世界の温室効果ガス(二酸化炭素)を半減させるとする数値目標を共有することも合意されました。
 国は、原子力を温室効果ガスの排出を減らす不可欠の手段としています。その根拠として、①原発が発電中には二酸化炭素を排出しない、②ライフサイクルで比較しても化石燃料を利用する発電システムよりも少ない、の2点を挙げています。

(2) 「二酸化炭素を排出しない原発は温暖化対策の切り札」という声は正しいのか?
 「原子力白書」によれば、二酸化炭素の排出量は、化石燃料が245~1,372t/100万kWhであるのに対して原発は3~40tとなっています。これには放射性廃棄物の処理・処分の過程で放出される二酸化炭素も計算には含まれていますが、世界のどこも処分できている国はないので、計画どおり進んだと仮定した上での計算でしかありません。
 確かに原子力は発電中は二酸化炭素を排出しないのは事実ですが、燃料のウラン採掘や施設建設、運転中などでは二酸化炭素を必然的に排出しているのです。
 二酸化炭素削減効果を求めて世界中で原発の新設を推進すれば、建設にともなって排出される二酸化炭素がかえって温室効果を高めてしまうことになります。ライフサイクルでいえば建設中の排出量は多いのです。
 日本では、電力会社は原発を建設すると同時に、原発が停止した場合に備えてほぼ同じ容量の火力発電設備などを建設するという二重投資もしています。「発電時に二酸化炭素を出さない」というだけでは無理があります。
 また、火力発電などに使用する化石燃料の枯渇が懸念される現在、化石燃料依存からの脱却としても有効であるとされていますが、原発の基数が増えウラン資源の需要が高まれば、質の良いウラン資源がなくなり、採掘にともなう二酸化炭素排出量が増えて、結果的にみれば、化石燃料発電システムよりも排出量が増えるといったことも想定されます。
 しかも、ウラン資源も地殻中のウラン235のみを考えた場合、資源がそれほど豊富ではないし、増え続ける使用済み核燃料を再処理するための解決策として推進されていた高速増殖炉計画が技術的な困難さのため頓挫しています。現在は余剰プルトニウムを消費するためのMOX燃料によるプルサーマル計画が進められていますが、現状では使用済み核燃料が再使用できる見込みはありません。

(3) まとめるならば、
 まさに「木を見て森を見ず」であり、「発電時」の一点を見るならば確かに原子力は二酸化炭素を排出しませんが、「原料採掘から廃棄物処分」までのプロセスを追跡すると、決して原発は「温暖化対策の切り札」とはなり得ません。
 また、原発から発生する放射性廃棄物は、原爆やチェルノブィリで学んだように、「万が一……」の時には世界規模での環境破壊を起こしかねません。