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東京電力ホールディングス(株)【9501】の掲示板 2016/10/06〜2016/10/08

 経済産業省は5日、東京電力ホールディングスの経営問題の決着を目指す有識者による「東京電力改革・1F(福島第1原発)問題委員会」の初会合を開き、経営改革と福島第1原発の廃炉費用支援の本格検討に着手した。東電の再建に向け、原子力や送配電部門で他地域の大手電力との提携を進めるなど業界再編を活用する方向だ。収益改善のためには柏崎刈羽原発(新潟県)の再稼働が焦点となる。支援費用が電気料金に上乗せされ国民負担となることが懸念される。

 ◆競争環境厳しく

 事故処理費用では想定している賠償の9兆円のほか、廃炉費用の2兆円は大幅に増大するのが確実だ。初会合で経産省が見込み額を示さなかったため、委員会は次回以降の会合で廃炉費用の見通しを示すよう経産省に要請した。

 東電の原発事業の運営は電力小売り全面自由化に伴い競争環境が厳しくなっており、委員会は他電力との提携が必要との方向性を示した。柏崎刈羽原発の再稼働をめぐっては東電不信の払拭が求められると指摘した。

 東電は政府の支援策に対する国民の理解を得るため、再編を含めた抜本的な経営改革に取り組む方向で検討に入る。他社との提携や業務の効率化も加速させ、小売り全面自由化で激化した他電力との競争にも勝ち抜きたい構えだ。再建の切り札となる柏崎刈羽原発の再稼働がいよいよ現実味を帯びるなか、悲願の「脱国有化」に向け正念場を迎えている。

 ◆燃料調達で先行

 「国の救済措置を受けることなく、福島の責任を全うしたい。今まで以上に再編を含む改革を実行したい」。東電の広瀬直己社長はこの日開かれた有識者委員会の会合で強い決意を示した。広瀬社長は焦点となっている廃炉費用についても、「一括債務認識の問題が出ると債務超過になり、東電が倒れるリスクがある」と述べ、「制度的措置をつくってリスクを取り除いてほしい」と支援を求めた。

 東電は東日本大震災後、資産売却や希望退職の実施など徹底した経営合理化を進め、2013年度から3年連続で最終黒字を確保。だが原子力損害賠償・廃炉等支援機構に特別負担金などを毎年支払っており、余裕はない。

 そんな中、東電は昨年4月、燃料調達などでコスト削減を目指そうと中部電力と折半出資で「JERA」を設立。既存の燃料事業などを統合し、来春には両社の火力発電所の統合の方向性についても判断する。

 柏崎刈羽原発をめぐっては、再稼働に慎重だった泉田裕彦知事が16日投開票の知事選に立候補しなかったことで最大の障壁がなくなったほか、原子力規制委員会の安全審査も年度内には終了する見込み。廃炉負担をめぐる議論を踏まえ、東電不信の払拭につながる改革案をいかに示せるかが鍵を握りそうだ。